【あんスタ】革命する騎士と終演の姫君(7)

説明会/1 ページ3

「……さて、これから近々行われるS1・『星雨祭』についての説明会を始める」

重苦しい雰囲気を打ち破るように、蓮巳先輩が凛とした声を発した。

「少し気が許せん雰囲気だろうが、致し方ない。姫宮も睨むのを止めろ」

「うう〜、だって副会長！！なんでコイツがいるのっ！？」

私をびしっと指差して叫んだのは、桃李くん。地団駄を踏む子供のような仕草が可愛らしいけど、それ言っちゃったらはすみん先輩が、雰囲気が悪いのは誰のせいとは言わず言葉を濁した甲斐がないよね。

まあ、それもそのはず。私は「悪者」の現在、プロデューサーの仕事は任されてもS1のような外部客もやってくる大イベントを任そうとするはずないし。

その理由を考えれば、月永先輩から聞いた「ニナがS1におまえも参加させるように取計らった」という話はどうやら本当のようで、現在生徒会を含めあんず先輩(スーパーエンジェル。久しぶりにみたからかわからないけど胸がときめく。これってまさか……恋？)とニナはもちろん、最後に私のプロデューサー三名も呼ばれていた。

「気にするな、おかしい行動を取れば伏見が気づく」

「しかと監視しておりますからご安心ください、坊っちゃま♪」

私のお目付役なのか、生徒会に混じって立っている伏見先輩がにっこり微笑んだのを見て、桃李くんは「ならいいけど」とそっぽを向く。隣にいる衣更先輩が苦笑して、少しだけ場が和んだ。

「……じゃあ、続けるぞ。「S1」は本来、季節ごとのドリフェスだ。しかし、今回は例外的に行われることになる」

「というのも「星雨祭」は、滅多に見られない流星雨が見られる年だということからついでにライブしちゃおうか〜って計画されたドリフェスなんだよね」

蓮巳先輩の言葉に続けて、会長が茶目っ気たっぷりにウィンクする。ついでって、軽いね……？

……でもそれ、めちゃくちゃ楽しそうじゃん！？！？

思わず椅子から立ち上がりそうになったけど、すぐに蓮巳先輩が言葉を繋いだのでなんとか我慢出来た。

「ライブ形式は二つのユニットがぶつかり、勝ったユニットが次のライブに出られるトーナメント方式。最終的に残ったユニットが、最後の舞台に立てるというわけだ」

「え、それじゃあ長丁場になっちゃわない？ユニットなんてい〜っぱいあるんだし、星見てる暇あるの〜？」

と、そこで心底疑問そうに、桃李くんが口を開く。確かに、私も気になったので黙って蓮巳先輩の答えを待つことにした。

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