叛逆の騎士/1 ページ20
「……つまり、今から証拠を提出しに行くってこと？」
話を聞いた瀬名先輩が、腕を組んだまま言う。その表情は硬くて、もしかしたら怒っているのかもしれない、と感じた。怒りセッちゃん先輩めんどくさい女子みたいな怒り方するから嫌だ。
「そうです。時間は大丈夫ですよね？」
「確かにライブは午後からだけど」
そう答えたのは、凛月先輩。ちらりとスタジオの時計を見ると、その針は10時すぎを指していた。まだ「星雨祭」は始まったばかり。そのうえknightsのライブは確か14時からだから、時間に余裕はある。
「ニナの邪魔が入らないなら好都合だな。でも、『皇帝』と話せる保証はあるのか？」
次にいったのはリーダーさん。確かに、彼と話せる時間がなかったら？見つからなかったら？探すのに時間を食われていたら、最悪の場合ニナに見つかる。
「待ってね、少し確認をするから」
そこで、鳴上先輩が端末を操作し始めた。「……とりあえず、fineの出番は午後からだから、今の時間帯なら大丈夫なんじゃないかしら」「え、じゃあもしかして初戦の相手って……」青ざめかけた私に、いつのまにか隣にいた司くんが答える。
「fineではありませんよ。先程tournament表を確認しました」
「良かったーー！！」
knightsのみんなが負けるとは思ってないけれど、出来るだけエッちゃん会長がいるところとはあたりたくない。と、端末を覗きこんでいた月永先輩は首を傾げた。
「次は……あれ、Ra*bits？でも確かあいつらって、」
「そうだ！」
突如声をはりあげた私に、びくりと司くんが震えた。でもそんなこと気にしている場合じゃない！
「私、Ra*bitsの衣装探してきますっ。ニナが隠したんなら学院内にあるはずだし！」
「へ？ちょっと、証拠は！？」
そのまま踵を返そうとした私の腕を掴んだのは瀬名先輩。珍しく驚いた顔をしている。
「先に行ってください、絶対見つけていきますから！」
「はぁ！？学院がどれだけ広いと思ってんの！？」
「大丈夫です、だって私宝探し得意ですし！！あっ、これ預けますね。証拠品です、後はお願いします！」
「は、ちょ、待っ」
証拠品を渡すなり、私は部屋を飛び出した。
「……どうするの？王さま」
「んー、そうだな。……Aの意思を汲み取ろう。皆、勝負に出るぞ！」
一方。
「うわ、星川Aじゃん」
「なんでこんなとこにいんだよ」
「悪さしないよーに捕まえとこうぜ」
悲報。ウィッグ忘れてたせいで速攻でバレた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2090人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
べベンべエエェェ - また戻ってきました！この作品がお気に入りになってどの小説の設定も星川、というのを使わせて読ませてもらってます！ありがとうございます！ (2022年6月9日 23時) (
レス) @page29 id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - またニナが足を洗って帰って来てほしいかなと思います。続編が出来たらとっっっっぅても嬉しいです (2021年8月4日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
CloveR(プロフ) - 面白すぎて2日で読み終わりました……。（続き気になりすぎて2日とも5:00くらいまで寝れなかった）寝る前に読んだの後悔するくらいおもしろかったです…！ (2021年7月29日 3時) (レス) id: f7412586d4 (このIDを非表示/違反報告)
髪様 - ゆうさんと同意見です，完璧ですわあ、、、、 (2020年5月8日 11時) (レス) id: a311e75dfe (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - なんだろう、なんて言えばいいかわかんないんですけど...完璧な小説でした (2020年4月25日 18時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
