綺羅星/4 ページ43
「A！？なんで、泣いてるの！？」
明星先輩が、慌てて聞いてくる。でも、次から次へと流れてくる涙のせいで、答えられない。あっ、鼻水まで出てきた。瀬名先輩に「汚い！！！」ってマジギレされるやつだ。
けど、けど、泣くほど、私はあんず先輩に嫌われたくない。あんず先輩は、私がプロデューサーになったばかりのころに色々助けてくれた恩人なのだ。その背中はかっこよくて、すごくって。
あんず先輩に嫌われたらいきていけない、といっても過言ではない。(ちなみにこれを聞いた瀬名先輩が馬鹿にしてきたので、「セッちゃん先輩がウッキー先輩に嫌われたらいやでしょう！？……あっ、もう嫌われてましたっけ……」と返したらグーで殴られた)
「な、なかないでAちゃん！ちょっと強く言い過ぎたかな？」
「別に、傷つけるようなことは言ってないだろう。ほらA、涙と鼻水を拭け」
しゃくりあげる私に、氷鷹先輩がハンカチを差し出してくれた。エッ、これ鼻水ふいていいの？じゃあ遠慮なく。……あ、これおばあちゃんの香りがして安心する……。
ハンカチで鼻をかんだ私を見て、氷鷹先輩は「うわっ」みたいな顔をした。かめっていったの先輩だからね！！！
というか、皆優しいね……。「ごめんね」なんて、先輩たちは悪くないのに。
あんず先輩が手を伸ばしてきたと思ったら、頭を撫でてくれた。優しい手のひらの感触に、また涙が溢れ出る。
「でも、泣くほどってことは……本当に、何もやってないんじゃないのか？」
衣更先輩が言う。頷いてしまいそうになって、私は慌てて「ちがうんです！」と叫んだ。
「違う？」
「どういうことだ？」
訝しげな視線を送ってくる面々。しまった。
「わたし、は、わた……」
声が出ない。なんて言えばいいかわからない。さらに号泣しはじめた私の肩を、明星先輩が「わかった！！話はまた今度にしよう！？ごめんね！！」と叩いてきた。
私が必死に頷くと、あんず先輩が私に近づいてきた。その両目が、しっかりと私を見据える。
Aちゃんのこと、信じてるよ。
その言葉さえもつらくて、どうしたらいいかわからなくなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1119人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅茶が凍っちゃった - 今28話なんですけど、アスターの花言葉に信じる恋っていうのがあって死ぬかと思いました… (2022年12月30日 12時) (
レス) @page28 id: 4e52f11739 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - まだ途中ですが、leaderと草食べるのところで盛大に笑ってしまいましたwww最高ですもう、アメイジングさらっと言っちゃう主人公ちゃんも面白いですwww (2017年8月14日 2時) (レス) id: 9cb245a304 (このIDを非表示/違反報告)
もっちり兎(プロフ) - チベットスナギツネで検索かけてしばらく爆笑してました。面白くて、大好きです！(この小説がです！) (2017年6月12日 22時) (レス) id: e54c16753f (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 匿名さん» ご指摘、誠にありがとうございます。つきましては、お手数をおかけしますが改悪だと感じられる箇所をお教えいただけると変更しやすいので、お教えくださると幸いです。 (2017年6月10日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 二次創作の裏切りはキャラの改悪につながり、原作のイメージダウンとなりうる可能性があります。なので作品のパスワード保護、または改悪部分の変更、又は作品の削除をお勧めします (2017年6月10日 19時) (レス) id: 41b9136f09 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
