灰心喪気/1 ページ44
「…………で、くまくんとAはなんで死んでるわけぇ？」
放課後、少し遅れてスタジオに来た瀬名先輩が言ったのは、その一言だった。
珍しくいた月永先輩が、「ああセナ、うっちゅ〜」とペンを持った片手をふる。
「はいはい、うっちゅ〜。じゃなくて、俺が聞いてるのはなんでこの二人は落ち込んでるのってことなんだけど！」
瀬名先輩は、テーブルの上で突っ伏したまま微動だにしない私と凛月先輩を指差した。怒鳴り声が耳に痛い。
「ちょっと、起きな！会議と報告はじめなきゃならないでしょ！」
ゆさゆさ揺さぶってくる瀬名先輩。なぜこの人はこんなにおせっかいなんだろう。
「私のことはほっといてください……そう、所詮私は道端に転がるワカメに等しい」
「ワカメは道端に転がったりしてないんだけどぉ！？」
「……私、A。ぎゅっと抱きしめて。それか、焼き肉奢ってください」
どこぞの雪だるまのマネをしてみれば、瀬名先輩からは「ハァ？」と若干怒り気味な返事が来た。
「……じゃあ、俺には血ぃちょうだい。それか、焼き肉奢って」
隣で同じく死んでいた凛月先輩もノってくる。瀬名先輩が無言で、丸めた紙で私たちの頭をはたいてきた。
「あらあら、冗談いえる余裕が戻ってきたなら良かったわ」
「お二人とも、ここに来たときは顔色が真っ白でしたものね。そろそろ、何があったかお話していただけますか？」
そう言ったのは、先ほどまで心配そうにお茶を入れてくれたり、毛布をかけてくれたりした鳴上先輩と司くんだ。理由も聞かず優しくしてくれて、瀬名先輩とは大違い。
「……じゃ、リッツ先輩からどうぞ」
リッツ先輩は頷くと、ゆっくりと体を起こす。そして、ため息に似た呟きを零した。
「…………俺、兄者があの女を彼女にしたって紹介してきたら、本気で縁切るから」
「え？」
鳴上先輩が聞き直す。今のは、説明になってなくない？
「どういうことだ、リッツ？」
いつものごとく壁にガリガリやっていた月永先輩が振り向いた。凛月先輩は、長い沈黙の後重そうに口を開く。
「……兄者が」
凛月先輩は、顔を覆ってうつむいた。
「兄者が、あの女に惚れたって。俺たちには負けないって、いっといてって」
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紅茶が凍っちゃった - 今28話なんですけど、アスターの花言葉に信じる恋っていうのがあって死ぬかと思いました… (2022年12月30日 12時) (
レス) @page28 id: 4e52f11739 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - まだ途中ですが、leaderと草食べるのところで盛大に笑ってしまいましたwww最高ですもう、アメイジングさらっと言っちゃう主人公ちゃんも面白いですwww (2017年8月14日 2時) (レス) id: 9cb245a304 (このIDを非表示/違反報告)
もっちり兎(プロフ) - チベットスナギツネで検索かけてしばらく爆笑してました。面白くて、大好きです！(この小説がです！) (2017年6月12日 22時) (レス) id: e54c16753f (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 匿名さん» ご指摘、誠にありがとうございます。つきましては、お手数をおかけしますが改悪だと感じられる箇所をお教えいただけると変更しやすいので、お教えくださると幸いです。 (2017年6月10日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 二次創作の裏切りはキャラの改悪につながり、原作のイメージダウンとなりうる可能性があります。なので作品のパスワード保護、または改悪部分の変更、又は作品の削除をお勧めします (2017年6月10日 19時) (レス) id: 41b9136f09 (このIDを非表示/違反報告)
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