正義の歌/1 ページ33
翌日の朝。いつもホームギリギリに登校している私は、初めて朝早くきてみた。というのも、皆がいる時間帯にくると、私が来た瞬間腫れものに触れたみたいな反応になるからだ。さすがに辛いから止めてほしい。
早起き出来ないタイプなので、瀬名先輩に目覚まし頼んだらすっかり忘れていて、10回目のコールで目が覚めた。よって私は、朝から怒鳴り声を聞いて頭が痛いのだ。
なのに、
「A！」
朝から守沢先輩の素晴らしい声量を耳元で聞かされ、私は死んだ。
「ちょ、守沢先輩……。急に飛びついたらびっくりするっスよ、全く…」
その後ろから、ダウナーな翠くんの声が追いかけてきた。こっちはこっちでなんか……もう二人足して割ればいいのに。
「おはようございます、守沢先輩」
平常心よ、A。いつもみたく「ひゃっはー！もりちあ先輩おはよーございます！！朝練ですか！？えら！！私もやる！」とかいいながら、バスケ部に乗りこんじゃダメだよ。
というわけで、あまりにもテンションの低い私の声を聞いて、守沢先輩は面食らったように一歩下がった。
「あ……うむ、おはようA！どうしたどうした、元気がないなっ？」
「守沢先輩の対応が暑苦しくて、嫌なんじゃないっスか」
朝から鬱だよね、と言ってくる翠くん。いつもどおりだけれど、その目には複雑そうな色合いが混ざっている。きっと噂が気になるんだろうな。
翠くんは、一回目線を逸らして、それからもう一度私を見て。覚悟を決めたように、口を開いた。
「あの噂って、」
「高峯」
それを制したのは、守沢先輩の声だった。なんでもりちあ先輩そんな真顔なんですかやめてくださいキャラ崩壊ですよ。
「俺が聞く。高峯は朝練に戻っててくれ」
爽やかスマイルでいう守沢先輩に、翠くんは渋々といったように引き下がる。そして、私に一礼すると体育館に戻っていった。
守沢先輩が、私に向き直る。ーまさか、こんなに早いとは思わなかったけど。
「A、話があるんだ。今から、少し時間をとれないか？」
来ました。日々樹先輩の、言った通りだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1118人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅茶が凍っちゃった - 今28話なんですけど、アスターの花言葉に信じる恋っていうのがあって死ぬかと思いました… (2022年12月30日 12時) (
レス) @page28 id: 4e52f11739 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - まだ途中ですが、leaderと草食べるのところで盛大に笑ってしまいましたwww最高ですもう、アメイジングさらっと言っちゃう主人公ちゃんも面白いですwww (2017年8月14日 2時) (レス) id: 9cb245a304 (このIDを非表示/違反報告)
もっちり兎(プロフ) - チベットスナギツネで検索かけてしばらく爆笑してました。面白くて、大好きです！(この小説がです！) (2017年6月12日 22時) (レス) id: e54c16753f (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 匿名さん» ご指摘、誠にありがとうございます。つきましては、お手数をおかけしますが改悪だと感じられる箇所をお教えいただけると変更しやすいので、お教えくださると幸いです。 (2017年6月10日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 二次創作の裏切りはキャラの改悪につながり、原作のイメージダウンとなりうる可能性があります。なので作品のパスワード保護、または改悪部分の変更、又は作品の削除をお勧めします (2017年6月10日 19時) (レス) id: 41b9136f09 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
