秘密のレッスン/1 ページ11
どくん。
また、心臓が大きく高鳴った。
なんで、なんで私は。
ここにいるのがいたたまれなくて、隣にいる夏目くんの顔を見る。と、ふと目があった。
「……ぁ、」
「何」
何、と言われても。何かいいたかったわけじゃないし、けど目があったら何か言わなくてはいけない気がして＿＿＿＿。
「……何で見てるの、悪趣味だよ」
ヒソヒソと囁くように言うと、夏目くんはあっけに取られたような顔になる。それから、にやりと楽しそうに笑った。
「へぇ、なかなかいうようになったネェ？」
「ま、間違いじゃないでしょ！」
「ほーんと、悪趣味だよな〜」
その瞬間、頭の上から降ってきた声に夏目くんと同時に顔を上げる。「れ、零にいさん」冷や汗を流しながらこれは、とか言い訳をしようとしている夏目くんが珍しくて、ちょっと笑ってしまった。
「俺は見せ物じゃね〜んだよ」
「わっ、わかってるかラ、あんまり髪わしゃわしゃしないでヨ！」
「あれ、さっきの女の子は……？」
零さんが気づいてこっちに来たのなら、女の子はどうしているんだろうと草むらから顔を覗かせる。しかしそこには、女の子どころか人一人いなかった。
「帰ったよ」
言いながら、零さんは夏目くんの髪で遊んでいたのをやめて私の頭に腕を乗せる。わ、割と容赦なく体重かけてきて重い……！
「で？夏目とAはこんなところで何してんだよ、新しい実験？」
……さりげなく、話を逸らしたように思えたのは私の思い違いなのだろうか。
「たまたま通りかかっただけだヨ。ちょっト、この子に用事があって呼び出したんダ。確か、零にいさんはこれから用事があるんだよネ？」
「えっ、そうなんですか？」
私の頭をおさえている零さんを見上げると、彼は淡々と「ああ」と答えた。
「ちょっとゴタゴタに巻き込まれてんだよ。まあ、すぐ解決してくるからさ」
そういえば零さんは生徒会長だっけ。きっと私にも分からないような大変な仕事がいっぱいあるんだろうな。
に、と綺麗な笑みを浮かべ、零さんは私から手を離す。その熱が離れていくのがなんだか名残惜しい。
「それじゃ〜な、二人とも♪」
「じゃあネ、零にいさん」
「頑張ってくださいね……！」
零さんが見えなくなるまで二人で見送る。彼が見えなくなった瞬間、私の方に体を向けた夏目くんはにこっと笑った。
「……さテ、秘密のレッスンを始めようカ♪」
……え？
(＿＿＿＿なんで私は、零さんが告白を断ったことに安心したのだろう)
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萩(プロフ) - まめだいふくもちさん» まめだちふくもちさんが見てくれてるなんて(涙)。最初コメント見た時に変な声がリアルに出ましたw。ありがとうございます。もう、本当に、夢主ちゃんにお伝えください。草葉の陰から応援してるよ！…と。 (2019年8月27日 22時) (
レス) id: cfe465a6d3 (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 萩さん» 萩さん、コメントありがとうございます。夢主ちゃんの味方をしてくれる方がいて夢主ちゃんも嬉しいと思います……！ここで言うのもアレですが、私も萩さんの作品を楽しみにしております。お体に気を付けて、更新頑張ってください。 (2019年8月26日 20時) (レス) id: 59bafee163 (このIDを非表示/違反報告)
萩(プロフ) - ごめんなさい、これだけ言わせてください。零さんかっけぇ。零さんの言葉ひとつひとつが重くて、夢主ちゃんにはとても大切なことなんだなと思いました。夢主ちゃん！頑張れ！私は！君の味方だぞ！(大声) 毎日この話を読んでは癒されています。これからも頑張って下さい (2019年8月25日 22時) (レス) id: cfe465a6d3 (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 厘さん» コメントありがとうございます！夢主ちゃんの成長を温かく見守ってあげてください。同じ奇人Pにコメントいただけて嬉しかったです、ありがとうございます〜！ (2019年8月13日 17時) (レス) id: 59bafee163 (このIDを非表示/違反報告)
厘 - …神様ですか？いや、神様ですね。ネガティブな女の子の成長とか見るの好きですし、三奇人の人達も大好きなのでこの作品に出会えて良かったです！熱中症に気を付けてお過ごしください、応援してます。頑張ってください！！ (2019年8月12日 21時) (レス) id: 4d8a897ec9 (このIDを非表示/違反報告)
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