【マギ】炎にぃの秘蔵っ子。よんっ！！！！【練 紅炎】【練 紅覇】

エピソード１４８ ページ10

……だから。
玉姉自身もそう思ってもらわなくてはいけない。

本当のことを言えないもどかしさを飲み込んで、私は笑った。

「私も、お姉ちゃんとお話ししたいです！」

玉「あら！ そう？ うふふ。嬉しいわぁ！！」

無邪気な玉姉は満面の笑み。
ズキリ、と胸が痛んだ。

(……私はこの優しい姉を騙しているんだ)

そう思うと、悲しくなるけど。
それを悟られるわけにはいかない。

「それで、どんなお話なんですか？」

玉「えーと、うーん。そうね……」

玉姉が急に、悩み始めた。
両目をつぶって、顔を天井に向けて、うんうんと唸ってる。

「えっと……大丈夫？」

思わず聞いてしまった。
すると。

玉「ズバリ！ 聞きますわぁ！！」

「……？ え、あ、うん」

何かを振り切ったかのようにして、玉姉が身を乗り出してきた。
玉姉が叫ぶと息がかかるくらいに近い位置に、その顔がある。

「……何ですか？」

玉「あのね。Aちゃんは、お兄様方をどう思ってますの？」

「え……」

本日二度目の同じ質問。
一回目は、玉姉が私の部屋に来た時にしていた内容。
それとまったく同じ内容を問われた。

「うーん……。皆、大好きな家族だよ？」

一度目は動揺してしまった私を見かねたのか、部屋中に散乱した書物に純粋に驚いたからか、姉は話をそらしてくれた。
だけど。

(……二回も同じ質問をするっていうのは、それが聞きたいからだよね？)

姉の今回の私への訪問は、おそらくこの質問をするためなのだろう。
そう考えた。
だから。
私は真剣に、思いを話すことにした。
一回目は狼狽してしまったけれど。……今度は、ちゃんと姉の疑問に向き合おうと考えた。


*

「うん。紅炎お兄ちゃんも、紅明お兄ちゃんも、紅覇お兄ちゃんも、白龍お兄ちゃんも……皆、私の家族だよ！ 白瑛お姉ちゃんや、こないだ嫁いだ、紅琳お姉ちゃんも。ほかのお姉ちゃん達も……もちろん、玉姉も！！ 皆、私の大切な家族だよ！！」

私は聞かれていない、姉たちのことまで答えていた。
特に、玉姉のことは強調していってみた。
それは、絶対に玉姉を命の危険にさらすかもしれない、政略結婚なんてさせない！ そんな私の個人的な誓いも込めてだった。

玉「Aちゃん……。うふふ。ありがとう」

玉姉ががしっと、私の両手を握りしめた。

玉「うふふ、そうね。Aちゃんにとっては、お兄様も、ほかのお姉様方も……私も、『家族』なんですわよね？」

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