エピソード１８２ ページ44
覇「言われなくても、僕ができることは決まってるよ！」
私の言葉を聞く前に、紅覇お兄ちゃんが走り出す。
覇「はい、皆ここからいったん離れてね〜。兵士は一般の郡の人たちを指揮するように！」
言いながら、目の前にある山とは反対側の、今は雪がうっすら残る田畑の向こう……、北東郡の人達の家々が連なる方角を指さして。
驚いて固まった人たち相手に、てきぱきと避難指示を出していく。
(……お兄ちゃん)
ありがとう、そう心でつぶやいて。
「忠雲殿！ そちらの状況を報告してください！」
私は袖口から、通信用の勾玉を引き出して叫んだ。
忠「はい。こちらでは掘った土のそばに、転送受け入れのための魔方陣を用意しておりました」
そこまで聞けば大体の想像ができた。
「つまり、掘った土を放置していて、何らかの理由で魔方陣が誤作動して、その土がこちらに飛んできたわけですね」
――たとえ、魔方陣が誤作動したのだとしても。
もともと、掘った土を傍に置きっぱなしにしなければ起こらなかった事態だと思った。
忠「すみません。溜めてた土が崩れまして……」
しどろもどろの忠雲に、落ち着くようにという思いも込めて、きっぱりと会話を遮ることにする。
「今は原因の追求よりも、事態を納めることが先決です！」
忠「……！ はい」
「その土はどのくらいの量なのですか？」
忠「全部で土嚢2000袋くらいはあったのですが、少しずつ整理してましたので……」
「分かりました。最悪40トンくらいの土砂が来るんですね？」
土嚢500袋が確か10トン。
たぶんそのくらいの量だろうと辺りを付けた。
穴を掘って、かつ土の処理を同時に進めるのには骨が折れる数字だとも思った。
「西夏郡により多くの人員配置をするべきでしたね」
思わず後悔が口をつく。
――でも。
「今後、同じようなことをする際は反省材料にしましょう」
今は、後悔するよりもやることがある。
「そちらの逆転送は止められますか？」
今、重要なのはそこだ。
忠「は、はい……それは、い……」
仁「A様！ 全力で解呪に取り掛かりましたので、転送自体はもうストップします。ただ、最後に土と一緒に出てきた岩も陣のなかに……」
「わかったわ！」
お気を付けください、と言う仁々の言葉にかぶせるようにして叫んだ。
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一花(プロフ) - キャンディさん» コメント有難うございます。亀更新の上、返信まで遅くなり、申し訳ありません（汗） 面白いと言ってくださり嬉しいです。この作品は、連載作品の中で恐らく一番、趣味全開で書いてます。更新頻度が都合で減ってますが、宜しければ今後もお付き合い下さると幸せです！ (2014年10月5日 13時) (
レス) id: efaaeba1ca (このIDを非表示/違反報告)
キャンディ - とても面白い話ですね！！楽しく読ましてもらっています。これからも更新頑張ってください！応援しています！！ (2014年9月23日 14時) (レス) id: 5d912ff5a3 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - グーミリアさん» ありがとうございます！ なんだか、書いていると話の堂々巡りをしている気もしますが（汗） 楽しんでいただけるように、お話も少しずつ、前に進めますので、これからも宜しくお願い致します！(^-^) (2014年9月14日 18時) (レス) id: efaaeba1ca (このIDを非表示/違反報告)
グーミリア - はい！とっても楽しみにしています！ (2014年9月11日 21時) (レス) id: 9d3eb75538 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - グーミリアさん» コメント有難うございます！ 作品を良いと仰ってくださり、感謝します。そして……更新滞っていてすみません（滝汗） オフの諸事情で、更新頻度が減ってますが、途中放棄はしませんので！ 今までより、頻度はぐっと下がりますが続けますので、よろしくお願いします！ (2014年8月31日 12時) (レス) id: efaaeba1ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一花 | 作成日時：2014年7月25日 20時
