エピソード152 ページ14
玉「Aちゃんには、叶いませんわぁ」
盛大な溜息とともに、苦笑いされた。
玉「いつも、Aちゃんは誰かのために一生懸命。そんなAちゃんが、私は大好きなの」
「え……?」
急な告白に、私は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていたと思う。
でも、姉は苦笑していても、まとう気配はどんどん穏やかになっていく。
悲しそうな感じはしないから。
私はそのまま話を聞いた。
玉「もし、私が殿方に生まれていたら。Aちゃんのこと、好きで好きで、大好きで……妹としてなんて、きっと見れなかったわ」
(えーと、それはどういう意味ですか?)
たぶん。
その時の私は姉の告白に、みっともないくらい、呆けた顔をしていたはずだ。
「え、と……妹としてみれない、って?」
玉「私が殿方だったら、Aちゃんに恋をしていた、という話ですわぁ!」
朗らかな笑顔が返ってきた。
(……恋? え、玉姉が!?)
私は物凄く驚いて。
声すら出なかった。
そうしたら、姉が優しく私の額を撫で始めた。
玉「うふふ。驚いたかしら?」
「え……、あ、はい。……、まぁ……」
返す言葉が思いつかないくらい、私の頭は混乱していた。
玉「私が殿方だったら……は、あくまで仮定の話ですわ。でも、お兄様方は殿方ですわよね?」
「……? はい」
玉「Aちゃんは、お兄様方を家族として大切に思っている。でも、紅炎お兄様はそれ以上に想ってる……」
「……はい」
玉「義理の兄妹が、相手をそれ以上に想うことは、充分にありえますわ」
「え……」
玉「Aちゃんじゃなくても、ね」
「……でも、どのお兄ちゃんも、私を『妹』っていうよ?」
私が首を傾げたら、玉姉が苦笑いした。
玉「うふふ、そうね。でも、Aちゃんも、お兄様方のことを『兄』としか言わないでしょう?」
「……あ」
確かに。
そうだった。……私は本心を伝えて炎兄との関係が崩れるのが怖いから。
玉「他のお兄様方も、Aちゃんと同じかもしれませんわよ」
「うーん」
三人の義兄のことを改めて思いだす。
基本的に、炎兄や、明兄は私に優しい。
例外があるとすれば。紅覇お兄ちゃんだろうか。
でも。
「例えば、そうだとしても、それは僕のペット〜、とかそんな感じじゃないでしょうか」
玉「ふふっ! それは、紅覇お兄様のことですわね」
「うん」
――『こいつをいじめていいのは僕だけだしぃ〜』
北東郡に行く前、確かに言われた。
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一花(プロフ) - キャンディさん» コメント有難うございます。亀更新の上、返信まで遅くなり、申し訳ありません(汗) 面白いと言ってくださり嬉しいです。この作品は、連載作品の中で恐らく一番、趣味全開で書いてます。更新頻度が都合で減ってますが、宜しければ今後もお付き合い下さると幸せです! (2014年10月5日 13時) (レス) id: efaaeba1ca (このIDを非表示/違反報告)
キャンディ - とても面白い話ですね!!楽しく読ましてもらっています。これからも更新頑張ってください!応援しています!! (2014年9月23日 14時) (レス) id: 5d912ff5a3 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - グーミリアさん» ありがとうございます! なんだか、書いていると話の堂々巡りをしている気もしますが(汗) 楽しんでいただけるように、お話も少しずつ、前に進めますので、これからも宜しくお願い致します!(^-^) (2014年9月14日 18時) (レス) id: efaaeba1ca (このIDを非表示/違反報告)
グーミリア - はい!とっても楽しみにしています! (2014年9月11日 21時) (レス) id: 9d3eb75538 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - グーミリアさん» コメント有難うございます! 作品を良いと仰ってくださり、感謝します。そして……更新滞っていてすみません(滝汗) オフの諸事情で、更新頻度が減ってますが、途中放棄はしませんので! 今までより、頻度はぐっと下がりますが続けますので、よろしくお願いします! (2014年8月31日 12時) (レス) id: efaaeba1ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一花 | 作成日時:2014年7月25日 20時