◇赤○くんとはじめまして1 ページ3
わたしはごくごく普通に暮らしている。
勉強も普通。スポーツも普通。
でも、実はお嬢様。桜、という苗字、わたしは嫌い。なんだか自由が全部制限される。
「コンビニなんて!はしたない」
「バイオリンもやりましょう」
「やだーー!!!自分の好きなことする!」
そう言ってわたしは習っていたバイオリンも塾も水泳も茶道も花道もなにもかも全部やめた。
…かといいつつ、自分の好きなことは見つからなかった。お陰で部活も入ってない。
でも、唯一わたしが得意なことがあった。
妄想。
妄想こそがわたしが唯一楽しめる時間だった。
想像豊かになりすぎた自分は、恋までも忘れていた。
友達も彼氏がすぐできた。
「きいてよAー!彼氏できた!」
「そっか!おめでとう!いいな〜」
「合コンで知り合ったの!合コン行こうよ!」
「やだ!帰ってゲームする!」
「もーAはあ!そんなこと言って!好きな人できないかもよ!?2次元止まりかもよ!?!?」
「…そうかも…しれない…なあ」
けど。
婚約だなんて。やだよーーーー。
好きな人と結婚したいのに…
って思ってたら、婚約相手は赤○くんだった。
まさか赤○くんだなんて…
赤○くんは中学一緒で、いま同じクラスで、カッコ良くて、スポーツできて、頭良くて、名家なんだってきいてて、
……なんか、おんなじ人間とは思えない感じだった。次元の違う人。その一言に尽きた。
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作者名:椛 | 作成日時:2018年9月24日 22時