貴様らとっくに両想いだからな！？[２]【天祥院英智】 (ページ13)

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－You Side－

「神楽先輩っ！ ……こ、これでどうでしょうか？」

つむぎくんと軽く雑談を交わしていれば、モノを片手に駆け寄ってきた朱桜くん。
少しだけ眉間に皺が寄っていて、なかなか緊張しているように窺える。

朱桜くんが差し出してきたものは所謂よくある大きさ、厚さの本だった。

読んだことのある本だったらどうしようかと思っていたけれど、それも全くの杞憂だったようで……私はそれを両手で受け取る。

ありがとう、と笑みをつくると、満足気に微笑み返してくれた朱桜くん。

彼が選んだくれた本は、きっと面白い。朱桜くんだからこそ断言出来る。

ふふ、家に帰る楽しみが増えたなぁ……そうやってだらしなく頬を緩ませていると、つむぎくんに渡そうとした途端、止めるかのような一声が入った。

「少しくらい、中身を確認しなくても宜しいのですか……？」
『え、』

思ってもいなかった突然の言葉に、つい驚きの声が漏れる。
そんなの今更なのでは、と数秒呆然としてしまった。

『朱桜くんの選んだ本なんだから、確認せずとも……ね、？』

え、わざわざ面白くない本選んだとかないよね？なんて、その途端ぽんぽん疑問が生まれてしまう。朱桜くんはそんな人じゃないって信じてるよ？

そんな朱桜くん知らないんだけど……と実際1ミリも知らない相手に唸り始めれば、今までポカーンとこちらを見つめていた彼が、恥じらうような様子を見せてきた。

「えへへ……

そんな風に言われては、少しくすぐったいのですが……」

頬を掻き、はにかむ目の前の彼。えっ、かわいすぎない？？

例えるならば……そう、脳内にある全ての煩悩が取り払われるみたいな……(伝わらない)

『とりあえず、つむぎくん、これ、お願い…』

やばい、こっちが頭おかしくなるな。

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