通称「自動喧嘩人形」 ページ6
平和島静雄side
「何してやがったんだ、手前は!!!待ち合わせが何時だったのか覚えてんのか!?馬鹿野郎!!!」
「申し訳ない限りでございます。」
そう言って、Aは少し汚れた服の皺を正しながら、しょぼんと謝った。だが、そんなので許せる程、俺は大人じゃない。
Aにズイッと時計を突きつける。
「手前、これが何時だか分かるか?」
「えっと、7時半、です。」
「じゃあ、いいな。待ち合わせは何時だった?」
先程までスラスラと答えていたのにも関わらず、そこでAはピタリと動きを止めた。大量の冷や汗を流しながら。
目を泳がせるAに、もう一度圧をかける。
「待ち合わせは、な・ん・じ・だ?」
観念したかのように、Aは俺をしっかりと見つめると、大声で挙手しながら言った。
「6時半です!」
「1時間も遅れてんじゃねぇ!!!手前、この前も言ったよなぁ?俺と会う前に面倒事に関わるんじゃねぇ!」
「…………できるだけ、心がけたいです。」
何で、こいつはいつも俺と会う前に何かしら問題事を起こすんだ。そう思いを込めた視線を投げかけると、Aはぷいと顔を背けた。
(こいつ………!!!)
自然と手に力が入り、アルミ缶がグシャリと音を立てて潰れる。肝心なところを隠すのが、ノミ蟲臭くてかなわない。
でも、こいつはあいつとは根本的に違う。あいつは直接的に干渉しない上に、いつでも人を馬鹿にするが、Aは直接的に干渉するし、人を化物呼ばわりしない。
って言っても、ヒーローヒーロー、俺の事を言うのはたまにウザい。
「でも、待っててくれてありがとう!シズちゃん。」
「……おう。次からは遅れんなよ。そう言えば、手前、仕事帰りか?」
よくお気付きで、と驚いた顔をするとAは、今日は仕事が多かった分、儲けが出たから充実したと俺に話す。
こいつの仕事が何なのか。俺は知っているようで知らない。
体関係ではないことは勿論だが、暴力関係では曖昧なところだ。こいつの性格と歳から、運び屋ではないだろう。
「手前、何の仕事してんだ。」
「え?ヒーローになる為のお仕事。セルティさんみたいに言うなら、人助け屋、みたいな?」
人助け屋。そんなのがあってたまるか。何でも屋じゃねぇかと訴えれば、違う違う、とAは首を左右に振った。
人助け屋は、困っている人しか助けないんだよ?
と。
ラッキーアイテム
シズちゃんのサングラス
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もわぁ@ヒーロー(プロフ) - 木戸 凛々さん» コメントありがとうございます!お久しぶりですね、凛々さん!ご無沙汰しておりました^o^頑張るのでよろしくお願いします (2016年7月20日 11時) (レス) id: 8abe313fb1 (このIDを非表示/違反報告)
木戸 凛々(プロフ) - うわぁぁぁ!!!お久しぶりです!!やったぁ!!またヒーローが見れるんですね!!!楽しみにしてます!!コメント遅くなり申し訳ないです!、 (2016年7月19日 20時) (レス) id: 3f020bed75 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - あああ!ここに新しい池袋シリーズが!ありがとうございますううう!!! (2016年7月8日 6時) (レス) id: 687fe9952a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネリエル@リリス | 作成日時:2016年7月3日 20時