通称「いつもの私」 ページ11
紀田正臣side
「こんにちは、正臣くん。彼女とデートでもしてたの？」
Aさんは昨日の予告通り、『昨日』『俺と会った』ということを『無かった』ことにして接してきた。
昨日までの俺が知っていた、見ていた『笑顔』と『言葉』と『立場』で平然としたその姿に俺は恐怖を感じた。
(何で、何でそんな風にできる？)
普通は出来ないことだ。全くの反応を見せないなんて。目の前でにこにこと笑顔を浮かべるAさんに、恐る恐る聞く。
「Aさん、『昨日』俺と路地裏で会いませんでしたか？」
「え？何言ってるの？見間違いじゃないかなぁ。私、『昨日』は何処へも言ってないし、家でゴロ寝してたから。」
・・・・・・・・
気のせいじゃない？
その一言に心臓がグワシと潰されるように握られたのがわかった。Aさんの言葉に圧力がある気がする。『昨日は何も無かった』と肯定するように。
「あ！俺の勘違い！いっけねー、昨日は可愛い女の子いたんだったわ。」
「正臣くんが？あのナンパ失敗続き帝王とまで呼ばれた正臣くんが！？」
「うわっ、ヒッデー！つてか、Aさんだけでしょ！ナンパ失敗続き帝王って何！？」
咄嗟の
(………駄目だ。やっぱり、この人は『あっち側』の人間だ。)
(俺の、俺の知っているAさんじゃない。)
今、目の前にいるのは『俺の都合のいいAさん』であって、『昨日のAさん』ではないんだ。隣でふふんふふーんと鼻歌を歌うAさんを見て、俺は一つすることにした。
「あのさ、Aさん、一つ質問してもいい？」
「ん？何？どうかした？」
どくん。
「Aさん、もし、俺が『昨日』のこと、帝人に話すって言ったら、」
どくん。
「どう、」
どくん。
「しますか？」
どくん、どくん、ドクん、ドクン。
「正臣くん。
……_____に___はつ_____。」
池袋の人混みの中、その声は、ざわざわとした喧騒にまぎれ、すぅと溶けるように消えた。何て言ったのかわからない。
だけれども、それは確かに『昨日のAさん自身』の言葉だったんだと俺は信じたい。
「正臣くんにはよく黄色が似合うね。きっと、これからももっと増えるよ。その色。」
その言葉がどれだけ子供っぽく、馬鹿げていたとしても。
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もわぁ@ヒーロー(プロフ) - 木戸 凛々さん» コメントありがとうございます！お久しぶりですね、凛々さん！ご無沙汰しておりました^o^頑張るのでよろしくお願いします (2016年7月20日 11時) (
レス) id: 8abe313fb1 (このIDを非表示/違反報告)
木戸 凛々(プロフ) - うわぁぁぁ！！！お久しぶりです！！やったぁ！！またヒーローが見れるんですね！！！楽しみにしてます！！コメント遅くなり申し訳ないです！、 (2016年7月19日 20時) (レス) id: 3f020bed75 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - あああ！ここに新しい池袋シリーズが！ありがとうございますううう！！！ (2016年7月8日 6時) (レス) id: 687fe9952a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネリエル＠リリス | 作成日時：2016年7月3日 20時
