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デュラハンside
「セルティに雨は降ってる?」
そう言ったAの周りに一瞬、土砂降りの雨が見えた気がした。再び見ると、黒い傘には雨粒一つさえついていない。
今のは幻覚なのか、やけに現実的な感覚に、不信感を募らせながらも、PDAで返事をする。
【降ってない】
その返事に、Aはだろうね、とさも興味なさそうに言った。その反応に、私が少しむっとして背を翻した瞬間、Aは口を開いた。
「セルティの周りは曇りだから。」
曇り。Aの目の色が深くなる。また、一瞬だけ雨が降った。Aだけに。私の足元ギリギリまで、見えた。
私の存在と同じような、その雨に、Aは傘をとじる。
「私、八方美人が大嫌いでね、特に正義感ありますとか言ってるやつには反吐がでるの。」
今思えば、あの時のAは、色濃く折原臨也に似ていた。自分の考え以外の全てを捨て、他者を操るだけの、空っぽに。
と、急な突風にあいつの黒い傘が吹き飛ばされた。
慌てて追いかけようとした私に、あいつは、
(………なんて言ったんだっけ。)
黒い傘が飛ばされ、何もあいつを覆うものがなくなった瞬間、あの刺すような雨の中で、Aは笑っていた。
今現在と同じ、楽しそうで正義感溢れる偽善ヒーローの表情だった気がした。
「セルティ。憧れている人物を超えるには、どうしたらいいか知ってる?なぁに、簡単な方法だよ。」
確か、今通りの芝居くさい話し方で、だけど、諦めた雰囲気で、雨の中で溺れた。
・・・・・・・・・・・
「憧れをやめればいいのさ。」
最善策だろう?
嗚呼、あの時に止めていればよかったんだ。私は何を呑気にしていたのだろうか。あの時に止めてさえいれば、きっと必要以上にあんな風になることはなかった。
彼処まで追い詰めることだって、なかった。憧れをやめさせるべきではなかった。理想であったとしても嘘のヒーローを殺させるべきではなかった。
結果的に私は、その日、デュラハンとして殺してしまった。【A】としての存在意義を、奪い去り。
首無しに、【A】は殺されたのだ。
なぁ、A。今いるお前は誰なんだ?
■
物語の時間軸は、2年前。来良組は登場しない。正臣は登場するかもしれない。まだヒーローとして本格的に行動してない時。
■
竜ヶ峰A
高校1年生。ダラーズ所属。この当時は、私が書いていた他の自称ヒーローよりも昔なのでキャラクターに対する態度が違います。
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シズちゃんのサングラス
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もわぁ@ヒーロー(プロフ) - 木戸 凛々さん» コメントありがとうございます!お久しぶりですね、凛々さん!ご無沙汰しておりました^o^頑張るのでよろしくお願いします (2016年7月20日 11時) (レス) id: 8abe313fb1 (このIDを非表示/違反報告)
木戸 凛々(プロフ) - うわぁぁぁ!!!お久しぶりです!!やったぁ!!またヒーローが見れるんですね!!!楽しみにしてます!!コメント遅くなり申し訳ないです!、 (2016年7月19日 20時) (レス) id: 3f020bed75 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - あああ!ここに新しい池袋シリーズが!ありがとうございますううう!!! (2016年7月8日 6時) (レス) id: 687fe9952a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネリエル@リリス | 作成日時:2016年7月3日 20時