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文化祭の前日、今度は小山くんから電話があった。
〈もしもし、Aちゃん？もう真由ちゃんから話聞いた？〉
『ううん、なに？どうしたの？』
〈……俺、今日振られちゃった(笑)〉
『あ……』
〈シゲとAちゃんは応援してくれてたから、ちゃんと話しとこうと思って(笑)〉
小山くんの声は、元気に笑っている。
無理に笑っているのだろうか。
『小山くん…、』
〈あ、無理はしてないよ、真由ちゃんとは友達続けるし、諦めるなんて一言も言ってない！〉
『あ、…そっか、そうだよね！』
〈うん！真由ちゃんから好きな人は教えてもらえなかったけど多分俺分かるんだ、誰と話してる時が一番楽しそうなのかくらい(笑)〉
“相手が、相手にならないくらい大きいのも分かってるけど” って小山くんは、また楽しそうに笑う。
〈それでも頑張るって決めたからさ！〉
『すごいね、小山くん』
〈まあね(笑)あとさ、ずっと思ってたんだけど、シゲと喧嘩でもした？そろそろ許してあげない？〉
『え…？』
〈2人ずっと話してないし、4人で集まらなくなったじゃん？シゲに聞いても “俺が全部悪いから” って言うだけでさ…〉
『どういうこと…？』
〈え？俺てっきりAちゃんがシゲにキレてるのかと思って…〉
訳が分からない。
気づいたら、加藤くんが私を避けていた。
ただそれだけだ。
『分からない…私が悪いんだと思ってた…』
〈え？なにがあったの？〉
『それが分からないの……いつの間にか、加藤くんが…私のこと、…避け、てて、』
〈Aちゃん…？〉
ああ、なんだろう、苦しい。
言葉にすると、その現実が鋭利なものとなって胸に突き刺さる。
瞳からは、透明の血が流れる。
加藤くんに避けられてるんだ、私。
『前っ、みたいに、4人で遊びたいし…、加藤くんと、話したいっ……っ…』
しばらくして、受話器の奥で “あぁ、そっか” と、苦しそうな小山くんの声がする。
〈……体育祭で同盟結んだ時、俺と同じくらいAちゃんが嬉しそうにしてた理由、やっと分かったよ〉
小山くんの優しい声が耳に響く。
〈Aちゃん、シゲのことが好きなんだ？〉
『……うん、っ、』
〈俺たち、良い同盟結んだね？笑〉
『うんっ』
“一緒に頑張ろう” と、優しい言葉で締めくくられた電話に、私は静かに涙を流した。
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鈴木カルロス三郎太(プロフ) - ゆっちゃんさん» えええありがとうございます(;o;)更新遅くなりましたが地道に続けていくのでよろしくお願いします。 (2018年9月19日 15時) (
レス) id: 1320e2bf1a (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちゃん - これ読んでるとなんか幸せな気持ちになりますww この作品好きです(о´∀`о)応援してます！ (2018年8月25日 1時) (レス) id: f0e7248429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴木カルロス三郎太
| 作成日時：2018年8月20日 22時
