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敵は鱗赫。見た感じ、半赫者。
___地下でもあまりお見掛け出来ないレベルの強者だろう。
六本もある赫子は、それぞれが鞭のように滑らかにしなり、再生力も攻撃力も一級品だ。
…あぁ、怖い。
鈴屋くんは今も彼の懐に飛び込み、生きるか死ぬかの戦いをしているというのに。
集中しろ。恐怖を飲み込み、パワーに変えろ。
そう自分に言い聞かせる。
…こんな儀式をしないと戦闘に意識を切り替えられない自分が、もどかしい。
そして、今は、そうやって自分を責める時間すら、惜しい。
全身は今も、ガタガタと震えている。今にも叫びだして逃げ出したいくらいだ。なのに、頭だけは冷静で、異常に冴えきっている、この感覚。
___あれ以来、自分の中から消え去ってしまったと思っていたもの。
これは神様から与えられた才能なんかだと、今日この瞬間まで勘違いしていた。
フッと笑みが零れる。自分はなんという思い違いをしていたのだろう。
私のこれは、生き汚い、ただの生存本能だ。走馬灯のようなものだ。
___隙を見つけろ。血路を開け。
生きたいのならば。___好ましく思う誰かを、守り抜きたいと思うならば。
私の脳はすさまじく回転し、目の前の喰種へ攻撃を叩き込む最短ルートを演算し、はじき出していた。
うん、今日はいける。私は力強く、一歩を踏み出した。
*****
什造は、クインケを構え、壁にもたれ掛かる。
｢はぁ…ちょっと手強いみたいですねぇ…｣
自分の目からみても相手の喰種は狂っていた。
『うふふふふあはははは』
『僕は…？僕は……！』
『邪魔な芽は摘まなきゃ…』
女の様な声でただ嗤う時もあれば、明確な意味を持つ言葉を発している時もあった。
ただ、話している内容も、嗤う理由も、什造には全く興味が無い。
自分が捜査官で、相手は喰種。
｢きっと、この子はクインケのいい素材になるでしょうねぇ｣
他に先を越される前に、自分が殺す。
そう決めた、その時だった。
___横を、白い影が通り過ぎた。
それはあまりに唐突で、想定外の人物だったので、什造の優秀な動体視力でも捉える事が出来なかった。
Aチャン、です………？
あれは、さっきまで自分の後ろをひいひい言いながらついてきていた彼女なのだろうか。
壁の側面を利用し、跳躍し、クインケを空中で上手く使って赫子を捌く。
__まるで別人の様な動きだ。
｢鈴屋くん!!2人でやりましょう!!｣
彼女はクインケで赫子を押さえ込みながら叫ぶ。
｢了解、です!!｣
それに応え、什造は大きく鎌を振りかぶった。
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アリス - シロナとクロナって書いてありますけど、ナシロとクロナじゃないですか？?(・_・;? (2018年11月9日 16時) (
レス) id: 9ad0b945de (このIDを非表示/違反報告)
YUUto1005 - 篠原さんの財布がー (2018年8月14日 9時) (携帯から) (レス) id: 9e44ee148d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アイスゥ | 作成日時：2018年3月27日 12時
