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(……大事？ただの仕事仲間を、どうして大事だって思えるの？)
順調に進んでいる彼らの撮影風景を眺めながら、私は日和くんから言われたその一言についてずっと考えていた。
ずっとソロで活動してきたけれど、大事だと思える人なんていなかった。
成功は全て自分のもの。でもその分、ミスも全て自分1人で背負ってきた。
仕事を共にする人達は、成功すればするほど寄ってくるけど、一度でもミスをしたら手のひら返しで自分の元から離れていく。
私の事を考えてくれている人なんて、いなかった。
(そんな環境でずっとこの世界を生き抜いてきた私に言われたって……信じられるはずがない)
親しくなってから見放される辛さは、身に染みて知っているから。
「難しい顔してるけど、大丈夫かなAちゃん？」
「何でもないですよ。お気遣い感謝します」
ここぞとばかりに話しかけてきやがった、あの男。
嫌な顔は出来ないため、いつもの様に愛想笑いを浮かべる。
「そう？何かあったら遠慮なく言ってね」と言ってくるも、お前なんか誰が頼るかと心の中で悪態をついた。
「それにしても、Edenだっけ？すごい勢いあるんだよね、今」
「はい。個々の実力もピカイチなので」
「……ねぇ、Aちゃん」
「Edenの仕事、もっと欲しくない?」
ねっとりと、まとわりつくような声で囁いてくる彼。
その瞬間、全身に一気に悪寒が走り、即座に彼から離れた。
「……どういう事ですか」
「Aちゃんも分かっているだろう？もっと仕事を貰える、効率的な方法」
気持ち悪い、吐き気がする、震えが止まらない。
気付けば私は、その場にしゃがみこんでしまっていた。
「あらあら、大丈夫？……ごめん！プロデューサーちゃん、ちょっと具合悪いみたいだから別室に連れて行ってくるな」
「看病は、ちゃーんと僕がするから」
本能が、危険信号を発している。
逃げろ、と。分かっているのに、体が動かない。
「さぁ、行こうか。立てる？」
心配そうな声色で、でも顔は笑っていて。
動け……動け私の足っ!!!
いくら念じても、足は全く動かない。
(あぁ……)
彼の手が、私の腕を掴んだ_______________
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リア(プロフ) - 最高に面白いです！日和が可愛すぎる！！！更新楽しみに待っています(^^) (2020年1月24日 17時) (
レス) id: f94faaa2fc (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 凄く私好きな話だと思います！滅茶苦茶好きになりました！！更新待ってます。頑張ってください！！ (2020年1月23日 6時) (レス) id: 1d868b34d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水神友花 | 作成日時：2020年1月19日 12時
