目と目があえば恋に落ちる【あんスタ】

4.ワガママ・ベイビー ページ4

例の騒動から一夜明け。
時間割の半分を終え、やっとこさ昼休みだといつも通り自席でお昼を食べていれば、目の前には蕎麦でも作ってるのかというレベルでドスドスと地団駄を踏む幼馴染。

下の階の二年生たち大丈夫そ？
お昼休み中に天井騒がしくしてごめんね？


「ねぇ！なんで引き受けてくれないの！」
「なにが？」
「Eveのプロデューサー！！」

ふと思い出したように「ジュンくんは賛成してくれたね！」とか付け足してくる幼馴染に「尚更嫌だけど…」と素直に返す。

だって面倒臭さしかないよ？日和くんは兎も角、あの後輩くんと毎日会って正気を保てるとは思えない。

ぱくり、コンビニで買ったパンを一口齧る。
…いつもはお弁当なんだけど、昨日誰かさんたちのせいで材料が買えずに作れなかったんだよね。セール時間ギリギリ過ぎちゃってほぼ売り切れててさ。誰かさんたちのせいで。


「どうしたら引き受けてくれるの？」

瞳をうるうるさせて、今にも泣き出しそうな日和くんに少しだけたじろぐ。
…アイドル業の賜物だろうか。昔から私は彼のお強請りには弱いし、日和くん自身それをよくわかっている。
う、う〜〜〜〜ん…


「…まぁ、日和くんと漣くんの二人を見るのは大変そうだし、なんか真面目そうな……ストッパー？…がいるなら、やってあげてもいいんだけど………」


まぁ早々いないでしょ。

わかったらご飯食べなよ、なんて言いかけて口が止まる。
予想とは反して、目の前の彼のその顔はやたらと自信満々で。


「言ったね？」
「え？」
「やるって言ったね」
「え、いや…ウン…というか日和くんそんな威圧的だっけ？ちょっと怖いんだけど」


闘志を宿したような彼の目が私を貫く。
…えっ、なんか…既視感…………もしかして後輩くんのアレも日和くんの教育だったりする？？寧ろ逆か？？


「…まぁその、無理して集めなくていいからね？」


ちょっと心配になってきた。
…いやまぁ日和くんに真面目なお友達がいるなんてことはないだろうけど！！！彼ならお金使ったりしそうだから！！！この発言失礼極まりないけど！！！


「…ふふん」
「えっ！？なにその勝ち誇ったような笑み！？もしかして検討ついてるの！？」
「もうっ、Aちゃんって案外照れ屋さんだよねっ！素直にやりたいって言ってくれればいいのに！」
「いや照れて条件出したわけじゃね〜んだわ！？日和くんも結構精神図太いよね！！」

昔もそういう所あったけど今はそれ以上だよ！！

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