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「…涼太は過去を引きずりすぎなんだ。その中途半端な気持ちでAに近づくなら、今度はAを傷つけることになる」
中途半端な気持ちってのは。
俺がAっちは好きでもなんでもないって言ってるこの感情のことか。傷つけたことでトラウマを抱えた俺の恋愛感情か。俺の元カノに対しての気持ちか。
「俺はもう恋愛なんてしない。Aっちのことは尊敬してるし、本当できたマネージャーっスよ。でもそれ以上でもそれ以下でもない。美咲のことも、今はなんとも思ってない」
茅野美咲。
それが、俺の元カノで。
俺がちゃんと本気で好きだった女の子。
「…もし美咲と直接話したいのなら、僕から言っておこう」
「…合わせる顔なんてないっスよ」
「だから涼太は引きずりすぎなんだ、もう忘れたらいいだろう」
「忘れるなんて、無理なんスよ。俺には……本気で好きになった子、だったのに」
俺と付き合ったことが原因で虐められて。
それに俺は気づけなかった。
別れよう、ただそれだけ告げられて。
何も言えないまま、俺がバスケ部を入る少し前に転校した子。
バスケ部に入って、虐められていたことを赤司っちから聞いて、俺はどれほど後悔したか。
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作者名:愛璃珠 | 作成日時:2021年8月7日 20時