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黄瀬くんと打ち解けられてからの部活は、未だに慣れないものであった。








『はい、ドリンク』


「あざっス」








何かを渡せば今までぶんどられていた物は、ちゃんとお礼を言って優しく受け取られて。








『あ、これこの前の誠凛戦の個人データと反省点ね』


「俺Aっちのことは嫌いでもこのデータは的確だしいつもすごいって思ってたんスよ!」







と、目を輝かせながらプリントを読み始める。

中学の頃なんか目も通さずに鞄に突っ込んでたのに。

すごいと思ってた、って言葉が嘘にすら感じる。



とにかく何か渡して黄瀬くんから返事があるというのはそれはそれは不思議なもので。








「…本当、申し訳ないっスわ。Aっちがいなかったら、全中優勝できてないのに」


『…それは、ない。絶対ない。それに今更謝られても、私傷ついたのは変わりないし』


「あー!ごめんっス本当!反省してるんで!この通り!」







いきなり目の前で土下座を始めた。

黄瀬くんってこんなキャラだったの?



というか、モデルさんを土下座させてしまっているこの空間がなんともいたたまれなくなって。








『もういいからお願い顔上げて恥ずかしい!!!』








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作者名:愛璃珠 | 作成日時:2021年8月7日 20時

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