嫌いなアイツ【黄瀬涼太】 (ページ2)

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私が大嫌いなソイツに出会ったのは、中学2年の頃。

帝光中でバスケ部のマネージャーをやっていた。その中に、私と同じ学年で、バスケ部に入ったのはつい2週間前だというのに昇格試験も受けずに一軍へ上がってきた人がいた。

名前は黄瀬涼太。

モデルもやっているらしいソイツは、学校ではそこそこ有名人で。そりゃモデルをやってるくらいだから顔も良ければルックスも良くて。

一応私も名前は知っていた。

『はい、これ黄瀬くんの分ね』

皆に配らなけらばいけない合宿の為の遠征許可証。それを渡した時に、無言で紙を取られる。

いつもそうだ。

ドリンクを渡してもタオルを渡しても無言でぶんどられ、足を怪我しやすい彼のオーバーワークを止めようとしても全部無視。

指を怪我した日に、テーピングをしようとすればそれを全部取られさつきの元へ走っていった。

私のことが嫌いだと手に取るようにわかった。それでも、マネージャーであるが故にあまり強く当たることもできず全部我慢していた。

生理前だったこともあるのか。

それとも、少し前に大輝と喧嘩したイライラが残ってたのだろうか。

『…少し言葉発するくらい、できないわけ？これでも私マネージャーなんだけど』

我慢していた物が爆発してしまった。

「あんたさ、はっきり言ってウザイ。俺に関わんな」

『マネじゃなかったら関わってないっつーの』

これが最初で最後の会話だった。

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