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私は小4よりも前の記憶がない。

それは小4の夏休み、トラックと衝突した時に記憶喪失になったらしい。








「その事故の後遺症で記憶喪失になっちゃったから、俺のことは覚えてないんスけどね、」








鳥肌が立った。

黄瀬くんが私から目を離さない。



…たまたまかもしれないじゃん。
小4の時に、トラックと衝突事故に遭って記憶喪失になって昔のことを覚えてない子なんて他にたくさん、









「その子が事故に遭う直前に、作り物の指輪をくれたんスよ、」









黄瀬くんは私にその指輪を見せた。

パッと見て作り物だとわかる。だけど大事に取っておいたのだろうか、すごく綺麗で、









「…これ、Aっちがくれたんスよ?俺に」









その言葉を聞いた瞬間、酷く頭が痛くなって、









「ッ、ごめん、こんなこと話して、」


『…、あ……ぅ…………』








激しい頭痛の中頭に入ってくる記憶。


私が金髪の男の子に指輪を渡したあと、道路に飛び出してトラックにぶつかる瞬間。

少しだけ意識があって、男の子は私の名前を叫んだ。









『……涼太くん、……?』


「大丈夫っスか、?てか、思い出したんスね、俺の事 こと」







困ったように笑うその顔は、昔夏休みに遊んだ男の子とどことなく同じ面影で。

今の方がカッコよくて顔つきも変わっているけれど、それでもあれは同一人物だ。








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作者名:愛璃珠 | 作成日時:2021年8月7日 20時

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