第38話「黄色い捨て犬」 ページ48
ぐすぐすと涙も止まってきた頃、上から荷物を抱えたカラ松が降りてきた
そんで、十四松を見るなり階段から転げ落ちた
【ツルッ】
「あ」
【ズドドドドドドド】
「あ〜…」
声を上げることなく驚いて階段を踏み外した
「なななななんで十四松が！？ホワァイ十四松！！」
「うーん、泣いてたから拾った」
「捨て犬か！！！！」
そんな事言ったらカラ松もそうだったじゃん、という言葉を飲み込み十四松の代わりに事情を説明する
相変わらず十四松の頭をなで続けてると、話を聞き終えたカラ松がゆらりと立ち上がった
「処す」
「やめなさい」
こいつがどうなってもいいのか、と飛行機のチケットを取り出せば瞬時に座った
チョロい
それにしても、この子どうしようかな
「十四松、これからどうするの？」
帰らないの？と聞くと激しく首を横に振る
「がえりだぐない」
顔をぐちゃぐちゃにしてイヤイヤと駄々をこねるのを見て、こりゃ大変なことになったと頭を抱えた
「俺嫌だ、あそこやだ」
できることなら十四松を引き取ってやりたいが、生憎私たちは夜に旅行の予定がある
今更キャンセルしたら、キャンセル料がかかる
それに、カラ松も旅行中止は嫌だろう
うんうん頭を捻らせてると、急にカラ松が私の目の前にきた
「…どうしたの？」
そして
正座をして、床に手と頭をつけた
「カラ松！？」
「兄…さん…？」
いきなりの土下座に驚く私と十四松
余程衝撃だったのか、十四松の目からはもう涙は流れてない
「頼む…十四松を、この家に置いてくれないか！！！！」
あまりに急な要望
ポカンと口を開けてる私たちを放ったまま、顔をあげず頭を更に床に擦り付けた
「自分勝手なのは分かってる！でも放っとけないんだ！！
代わりに俺が出ていくから！！十四松を置いてやってくれ！！
頼む！！！」
俺が出ていくから、そのワードを聞いた瞬間また十四松の目から雫がこぼれた
「やだよ、やめてよカラ松兄さん、俺が悪いのにやめてよ！」
カラ松を体を揺さぶって泣きつくのを見て、傍から見れば何だか私は悪者みたいになってしまったと苦笑する
「そんなことしなくても別に一人や二人増えても大丈夫だよ！」
「…本当か？」
「ほんと！」
「っやったぁぁぁ！！！」
途端に嬉しそうな顔でお互い抱き合うふたりを見て、何となく混ざりたくなってしまった
「おりゃーー！！」
勢いよく２人に飛びつくと、家には昨日より大きい笑い声が響いた
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星鴉(プロフ) - 夢主かっこよすぎですよ！！これからも読みたいです！！更新楽しみにしてます！ (2018年2月11日 23時) (
レス) id: 3edde29704 (このIDを非表示/違反報告)
ミリカ - このお話めちゃくちゃ面白いです！全然先が読めなくて、ドキドキしちゃいます！これからも頑張って下さい！応援してます(#^.^#) (2017年7月8日 9時) (レス) id: 144d912ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ミリカ - このお話めちゃくちゃ面白いです！全然先が読めなくて、ドキドキしちゃいます！これからも頑張って下さい！応援してます(#^.^#) (2017年7月8日 9時) (レス) id: 144d912ef6 (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - 何回読んでも飽きないです！大好きです！！！風邪なのに読んでしまう（笑） 学校行きたくなくなりますね（笑） (2017年3月10日 8時) (レス) id: 6ee3d9804e (このIDを非表示/違反報告)
ひな - イメ画上手いです！って、お友だちに伝えられればいいです！ (2016年8月19日 17時) (レス) id: 80c812b5ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イバラ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/ecfed04be15/
作成日時：2016年3月4日 22時
