第29話「──になってみる?」 ページ38
「…さて、カラ松は少しお買い物を頼んでいい?」
ぽん、とカラ松の手にカードを握らせおつかいを頼む
「それで服とか買ってきていいよ、ついでに弁当おかずとか適当に見繕って買ってきてくれる?」
「い、いいのか!?」
「うん、けどちゃんと買う物買いなよ?」
「わかった!!いってくる!!」
さっきの怒りはどこかへ吹っ飛んだようで、カラ松は元気よく立ち上がると勢いよく家を飛び出した
セラヴィ〜!とか歌いながら
「…チョロいな」
カラ松が段々犬にしか見えなくなってきたので近々眼科に行こうと思う
すると、おそ松が話しかけてきた
「ねぇ、お姉さん何でアイツのこと隠してたわけ?」
にこりと笑顔を向けられる
だが目の奥が笑ってない、ついでにオーラが黒い
めちゃんこ怒ってる
だが怒りたいのはこっちの方だ
「隠す?バカ言え、テメェらがカラ松のこと泣かせたから保護したんだよ」
このヘラヘラした長男、本当に兄なのだろうかと思うくらいカラ松のことをちゃんと見てない
「お姉さんこそバカだよ、俺らの中ではアイツの扱いはあれでもう決定してんの。別にアイツも本気で受け止めてないから」
「…本当にカラ松が本気にしてないとでも?」
「はぁ?だって今更じゃね?俺ら何年一緒にいると思ってんの?」
じゃあ何故カラ松は路地裏で倒れてたんだ
何故泣いたんだ
何故独りは嫌だと叫んだんだ
全部
お前らが
「一緒にいるからなに?一緒にいてもちゃんと見てなけりゃ意味ないでしょ。それとさ、さっきからカラ松のこと何にも考えてないでしょ」
たまに、カラ松はどこか遠くを見ている
窓の方を見て、少し悲しそうな顔をするのだ
そんな日は、決まって無理に笑う
そして、やっぱりカラ松は兄弟たちがいないとなんだなって痛感する
なのに兄弟たちは何も考えてない
何も見てない
そういう扱いを受けるのがカラ松ってもう決まってる?
ふざけてんのか
「あんた長男のくせに何も分かってないんだね、私の方がきっとカラ松のことよく知ってる」
カラ松がどれだけ痛い思いをしてきて
どれだけ泣いたのか知らないくせに
「…カラ松になってみる?」
「は?どういu」
【パァンッ】
乾いた音が部屋に響いた
私がおそ松の頬を叩いたのだ
「ってめぇ何しやがr」
【パァンッ】
「あぁ、ごめん。うちさ、石臼ないから木臼で勘弁してくれる?」
さらにもう一発
そして木臼をおそ松に投げつける
フライパンも、バットも、椅子も
第30話「人間野球」→←第28話「疲れてる人をキレさせたらダメ、ゼッタイ」
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星鴉(プロフ) - 夢主かっこよすぎですよ!!これからも読みたいです!!更新楽しみにしてます! (2018年2月11日 23時) (レス) id: 3edde29704 (このIDを非表示/違反報告)
ミリカ - このお話めちゃくちゃ面白いです!全然先が読めなくて、ドキドキしちゃいます!これからも頑張って下さい!応援してます(#^.^#) (2017年7月8日 9時) (レス) id: 144d912ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ミリカ - このお話めちゃくちゃ面白いです!全然先が読めなくて、ドキドキしちゃいます!これからも頑張って下さい!応援してます(#^.^#) (2017年7月8日 9時) (レス) id: 144d912ef6 (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - 何回読んでも飽きないです!大好きです!!!風邪なのに読んでしまう(笑) 学校行きたくなくなりますね(笑) (2017年3月10日 8時) (レス) id: 6ee3d9804e (このIDを非表示/違反報告)
ひな - イメ画上手いです!って、お友だちに伝えられればいいです! (2016年8月19日 17時) (レス) id: 80c812b5ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イバラ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/ecfed04be15/
作成日時:2016年3月4日 22時