第27話「看病」 ページ36
額に何か柔らかいものが押し当てられた感触がして、目が覚めた
と同時に、何かがズザザザザと後ずさりする音も
「…おはようカラ松」
「あ、あぁおはよう!!」
口元を引きつらせて笑うのを見て、不思議に思いつつも体をぐいっと伸ばす
体はすっかり調子をよくしたみたいで、さっきよりは楽だ
これもカラ松の看病のおかげかな
私は寝てたからわからないけど、枕元の小さな机にタオルと洗面器が置いてあった
きっとこれで面倒みてくれてたのだろう
他にも、本が何冊か積み上げられてたり、明らか食後の皿が何枚かあったりした
ここにずっといてくれてたのだろうか
「具合はどうだ?」
「カラ松のおかげで元気になった、ありがとう」
「あぁ、ちゃんと体大事にしろよ?」
ホッとした様子で洗面器を片付けに行ったカラ松に、再び感謝の気持ちを投げつけると布団へまたもどった
朝カラ松に意識をシャットダウンされた私は、あれからどのくらい寝てたのだろうか
家出ようとしたのが7:30くらい
今はもうお昼を少し過ぎている
今日は久しぶりに寝て過ごしそうだ
カラ松が家に来てからは、丸1日ゆっくり寝て休むというのをしてない
「(でもたまには休まないとだな…)」
入社したての頃に比べれば全然余裕なのだが、それでも急に崩れる体調の変化に苦笑した
そりゃできることなら休んでゆっくりしてたいが、生憎私はただのOLじゃないもんで
総務課の部長という役職をもらってからは日々忙しい
自分に無理させすぎたかな、と過去を振り返って思ってるとドアが開いた
どうやら物思いに浸かってるうちに昼飯を持ってきてくれたらしい
「お、雑炊だぁ」
「新鮮な卵だけを使ったぞ!」
えっへん!と胸を張るカラ松
まだまだ慣れない料理で私のために卵の雑炊を作ってくれた
「それにしても、Aの会社はそんなに忙しいのか?ブラックとかじゃないよな?」
キリリと眉をあげ、真剣になるのを見て
「(あ、心配してくれてる…)」
いつもひとりだったから、心配してくれる人がいるのっていいなぁ
「大丈夫だよ、超ホワイトだから、私部長だからほかの人より忙しいの」
「そ、そうなのか!!」
風邪を治してもまた人より忙しい職場に戻ることに、カラ松はひどく心配していた
それが嬉しくて、また風邪ひこうかなー…なんて思ったり思わなかったり
─────
*看病リクエストを本編に盛り込みました、ご観覧ありがとうございます byイバラ
第28話「疲れてる人をキレさせたらダメ、ゼッタイ」→←第26話「風邪っぴき」
1298人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星鴉(プロフ) - 夢主かっこよすぎですよ!!これからも読みたいです!!更新楽しみにしてます! (2018年2月11日 23時) (レス) id: 3edde29704 (このIDを非表示/違反報告)
ミリカ - このお話めちゃくちゃ面白いです!全然先が読めなくて、ドキドキしちゃいます!これからも頑張って下さい!応援してます(#^.^#) (2017年7月8日 9時) (レス) id: 144d912ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ミリカ - このお話めちゃくちゃ面白いです!全然先が読めなくて、ドキドキしちゃいます!これからも頑張って下さい!応援してます(#^.^#) (2017年7月8日 9時) (レス) id: 144d912ef6 (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - 何回読んでも飽きないです!大好きです!!!風邪なのに読んでしまう(笑) 学校行きたくなくなりますね(笑) (2017年3月10日 8時) (レス) id: 6ee3d9804e (このIDを非表示/違反報告)
ひな - イメ画上手いです!って、お友だちに伝えられればいいです! (2016年8月19日 17時) (レス) id: 80c812b5ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:イバラ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/ecfed04be15/
作成日時:2016年3月4日 22時