第10話「人は思ってるよりずっと繊細」 ページ11
大事な家族を大事に思ってない
そのことに若干イラつきながらお酒を一口飲むと、もう家へ入ることにした
こんな気分で月見してたって、お酒美味しくないし
ため息を吐きながらリビングへ戻る
だが電気をつけると、ビクッと震えた青いパジャマ姿がいた
「…何してんのカラ松」
「いいいいいいやこれはだな！！別に変なこととかじゃなくて！！」
手を一生懸命動かしながらてんやわんやしているカラ松
よくよく見たら、目が腫れて頬には涙の跡がついていた
…聞こえてたのかな、外のあの会話
と思っていたら、カラ松は徐々に顔を歪めていくと目からポロリと雫が落ちた
「え！？どうしたの！？」
「っお、俺、水飲みに起きたら、Aが、い、いなくて、それで、また、捨てられ、たと、思っ、て、そ、れで」
嗚咽を我慢しながら話してくれた理由に、ズキンと心が痛む
そうか、寂しい思いさせてしまったのか
「そっかそっか、ほらティッシュだよ」
ぐすぐす鼻を鳴らしながらティッシュを受け取ると、鼻をかませて落ち着かせる
そんで、ゆっくり立たせて私の部屋に連れていく
ベッドに腰掛けさせると、急いで暖かいミルクを用意して持ってきた
「はいこれ、飲める？」
コクリと頭を黙って縦にふると、湯気の立つ青いマグカップを両手で掴み一口のんだ
すると、小さな声で「ごめん」と聞こえてきた
「何で謝るの？」
「…住まわせてもらって、服も何もかも与えてもらってるのに、俺は…」
なんて情けないんだ、という顔をしてまた泣き出しそうになってる
ふぅ、とため息をつくとカラ松の隣に腰掛けた
「…全くだよ、世話のかかる同居人だこと」
「っ…」
「でも、私世話焼くの好きだから全ッ然問題ないよ」
「…でも」
「でもじゃないですー。あのねカラ松。カラ松がもしも、私の立場だったらどうする？」
「Aの…？」
「そう、私の。同居人が泣いてたり不安がってたらカラ松は迷惑だと思う？ウザいとか面倒くさいとか思う？」
「…思わない」
「でしょ？私も思ったことなんてないよ」
また泣き出してしまったカラ松
飲み干したミルクを机に戻すと、カラ松が泣き止むまで頭を撫で続けてあげた
「もう大丈夫？」
「あぁ…ありがとう」
目をゴシゴシすると、ベッドの中へごそごそと入っていってしまった
耳が少し赤いから、今更恥ずかしくなったのだろう
クスクス笑うと、カラ松が眠りにつくまで傍にある椅子で静かに読書をすることにした
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星鴉(プロフ) - 夢主かっこよすぎですよ！！これからも読みたいです！！更新楽しみにしてます！ (2018年2月11日 23時) (
レス) id: 3edde29704 (このIDを非表示/違反報告)
ミリカ - このお話めちゃくちゃ面白いです！全然先が読めなくて、ドキドキしちゃいます！これからも頑張って下さい！応援してます(#^.^#) (2017年7月8日 9時) (レス) id: 144d912ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ミリカ - このお話めちゃくちゃ面白いです！全然先が読めなくて、ドキドキしちゃいます！これからも頑張って下さい！応援してます(#^.^#) (2017年7月8日 9時) (レス) id: 144d912ef6 (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - 何回読んでも飽きないです！大好きです！！！風邪なのに読んでしまう（笑） 学校行きたくなくなりますね（笑） (2017年3月10日 8時) (レス) id: 6ee3d9804e (このIDを非表示/違反報告)
ひな - イメ画上手いです！って、お友だちに伝えられればいいです！ (2016年8月19日 17時) (レス) id: 80c812b5ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イバラ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/ecfed04be15/
作成日時：2016年3月4日 22時
