第1話「雪に紛れていた青」 ページ2
「お疲れ様でしたー」
「お疲れ様ー」
「気をつけてねー」
今日もいつも通りにデスクに向かい、いつも通りに仕事を終わらせ、いつも通りに帰る
いつも通りの日常、それが一番の幸せだと言う人もいる
だが、人間刺激がないと飽きてしまうもので
そんな私は、いつも通りの日常がつまらなくて少し嫌気が刺していた
仕事を始めてから念願の一人暮らしを始めた
最初は苦労もあったものの、それはそれで楽しかった
何もかもが初めてで、とてもキラキラしていたのに今では慣れてしまったせいで何も感じない
自動ドアをくぐると途端に来る冷たい空気が身震いさせる
カバンの持ち手を腕に通し、コートのポケットに手を突っ込むと夕飯を買うためにスーパーへ
今日はいつもより寒いな、夕飯は暖かい鍋にしようかな
鍋の具材をカゴに入れレジを通り、新たな袋を腕に通す
しんしんと降ってくる雪
今は風がないからありがたい
ザックザックとふかふかのブーツで雪を踏みながら自宅へ向かう
だが、いつも通る帰り道が事故のため塞がれていて回り道をするハメに
早く帰ってコタツでゴロゴロしたいな
あまり乗り気ではないが、路地裏から行こう
そうすれば、少しは早く着くはずだ
建物と建物の狭い間を通り、自宅へ急ぐ
あぁ、風が吹いてきちゃった
ついには小走りをすると、曲がり角が
曲がろうと体を進行方向へ向けると、何故か反対の路地が気になった
暗くて長そうな路地の奥は、何だか不気味だ
しかし、足は自然と反対方向に進む
寒さより好奇心の方が勝ってしまったらしい
ゆっくり、ゆっくり警戒しつつ進んでいく
風は相変わらず少し吹いている
そして、路地の奥まで来た
何の変哲もないコンクリートの壁を見て、無駄足だったなと戻ろうとしたら
視界の端に、他の色が映った
雪のような白でも、コンクリートのようなグレーでもない
「ひ、ひと…？」
黒い髪の毛と青いパーカーは、雪に埋もれて少ししか見えない
人が倒れている、ということにパニックになってしまった
どうしようか、救急車呼んだ方がいいよね？
でも救急車待つより、私の家に連れ帰って応急処置した方が早いんだよなぁ
意識の有無は確認するまでもなく、その口からはかすかに息をする音が聞こえる
「ごめんなさい、もうちょっと頑張ってください」
このままでは凍死してしまう
体についてる雪を払い、横抱きにすると人に見つからぬよう静かに家へ走った
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星鴉(プロフ) - 夢主かっこよすぎですよ！！これからも読みたいです！！更新楽しみにしてます！ (2018年2月11日 23時) (
レス) id: 3edde29704 (このIDを非表示/違反報告)
ミリカ - このお話めちゃくちゃ面白いです！全然先が読めなくて、ドキドキしちゃいます！これからも頑張って下さい！応援してます(#^.^#) (2017年7月8日 9時) (レス) id: 144d912ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ミリカ - このお話めちゃくちゃ面白いです！全然先が読めなくて、ドキドキしちゃいます！これからも頑張って下さい！応援してます(#^.^#) (2017年7月8日 9時) (レス) id: 144d912ef6 (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - 何回読んでも飽きないです！大好きです！！！風邪なのに読んでしまう（笑） 学校行きたくなくなりますね（笑） (2017年3月10日 8時) (レス) id: 6ee3d9804e (このIDを非表示/違反報告)
ひな - イメ画上手いです！って、お友だちに伝えられればいいです！ (2016年8月19日 17時) (レス) id: 80c812b5ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イバラ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/ecfed04be15/
作成日時：2016年3月4日 22時
