私の推しは久々知兵助くんだが、今告白されてるのは竹谷八左ヱ門くんで…あれ〜？陸っ！

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とはいえ
ここまでの長い道のりを歩いてきたため
時間も時間ということもあり昼餉を取ることとなりました


久しぶりの家族での食事


母と父に質問攻めにあうのだろうなぁ




なんて…思ってましたよ…
さっきまで…


「あら〜滝夜叉丸くん食べ方綺麗ね！
もっとたくさん食べてね！」

「しかも腕の筋肉しゅごい…しゅごいよ…これ…父もびっくり…」

「なんのなんのこれくらいっ！
この平滝夜叉丸であれば当然のことですよっ！」

おーい！！娘のことは〜？？
貴方達の娘が帰ってきましたよ〜？？
あれ〜？？どうでもいいのかな〜！？！？


私の間反対にいる三人の食卓が盛り上がっている中
私は一人虚しくただただ箸をすすめる他なく
気づいたら自分の分は食べ終えており

この場にはいない他の家族のことを母に尋ねることにした



「そういえばお祖父様とお婆様はどちらに？」

「お二人なら離れにいらっしゃるわよ〜
ご挨拶してきたら？」

「あ…それなら私も…」


そう言って既にこちらもある程度食べ終えたのであろう平くんが立ちあがろうとすると母が彼を呼び止める


「良いのよ良いのよ！お客人なんだから気を遣わなくて〜！お菓子でもどう？持ってくるわね〜！」

「平くんはゆっくりしててください

では洗い物をしたらご挨拶に行って参ります
父上どうかあまり彼を困らせないであげてくださいね？」


私も彼にはまだゆっくりしていて欲しかったので
母に便乗して彼に安心して欲しくて笑いかける
そうして、父はようやっと平くんに本題のことについて親身に向き合う


「嗚呼、行ってらっしゃい
そういえば…！
文で君は戦輪を使うと聞いたんだが見せてくれるか？」

「あっ…はい！こちらです…！」

背中越しからでも戦輪を手渡した平くんの緊張具合が伝わる

大丈夫だよ
きっと君は努力をしてきたのでしょう
何も不安に思うことはないよ

なんて洗い物をしている私は口に出して言えないけれど…

まじまじと見ていたのであろう父はしばらく黙った後、彼との対話を進める


「へぇ〜戦輪は初めてみるが
砥ぎ方は悪くないな…誰かに習ったことは？」

「いえ…！ありません！独学です」

「そうなのか…なかなかに良い腕してるよ」

「…！ありがとうございます！」

「でも、僕が教えることで
さらに良くすることはできそうだ
茶でも飲んでから始めるとしよう」

「よろしくお願いします！」


そうして、最後の洗い物を終えて
私は背を向けたまま自分自身が行くべき場所へと向う

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