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「ちょっと話すか?」
「え、いいよそんな、」
「吹っ切れた記念に」
「はは、何それ」
ちょっと待ってて、と言って先輩の元へ走る海。
少し話してから私の方を見て手招きをした。
先輩に近付くと、私に気付いた先輩が少し驚いた顔をした後優しく微笑んだ。
「Aちゃん元気だった?」
「はい。先輩もお元気でしたか?」
「うん。元気元気」
「良かったです」
高校一年の時、委員会が一緒になった事がキッカケで話す様になって好きになった。
優しくて、面白くて、サッカーが好きな先輩。
若干緊張しながら話しをしていると、
「、あれ…?」
「A?どうした?」
ふと遠くの方から視線を感じた。
周りを見渡したけど、サッカー部の人達くらいしかいなかったから気のせいかなと思いながら「何でもない」と海に返す。
「Aちゃんがオガと仲良いなんて知らなかったよ」
「今、同じクラスなんです。たまたま席も隣だったからそれで…」
「へぇ〜。オガが女の子の友達といる所なんて見た事なかったから何か意外だな」
「はは、そうっすか?」
「え、初耳。海って女友達いないんだ?」
「こいつモテるじゃん?近寄ってくる女子は大概自分の事が好きだから友達にはなれないんだってよ」
「へぇ、知らなかった。さすがですね」
「Aお前な…先輩も勘弁してください…」
苦笑いしている海を見て、先輩と二人で笑う。
久し振りに話す先輩は好きだった頃と何も変わっていなくて、なんだか勝手に嬉しくなる。
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作者名:京 | 作成日時:2019年2月24日 23時