7滴 ページ8
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今日も広くて深い池を独りで泳ぐ。水は太陽の暑さでいつもよりも熱くて嫌になる。
そんな中泳いでいると、どこからか足音が聞こえてきた。
レオかな？それとも、セナさんだろうか？どちらにせよ、来てくれたのだろう。私は上に泳ぎ、池から顔を出すと
｢なんだコイツ？｣
｢見たことないぞ……？！｣
知らない人と目が合ってしまった。その瞬間に私は、やってしまった……と後悔する。
数日前に、セナさんと二人以外には姿を見せないと約束したばかりなのに。
私は直ぐに水に潜ろうとするが
『っい……！』
誰かに腕を掴まれる。掴まれた場所は、熱くて痛くて火傷してしまった。あまりの痛さに私の視界が滲む。
誰か助けてっ……！レオっ……！
私は心の中で必死に助けを求めるがそれは叶わず、腕を引っ張られ池から連れ出されそうになる。
｢写真撮ろうぜ｣
『っ、ぃや……！』
端末を私に向けて面白がるようにそう言う男の人に私は必死で抵抗するも力が入らない。
｢てかめっちゃ泣いてんじゃん｣
｢離してやれよ〜｣
｢だって逃げるでしょ？｣
そんな会話が聞こえてくる。けれどその声は私からしたらもう遠いものだった。
あぁもうダメだ。
熱くて、痛くて、身体も乾いて、意識が朦朧とする。そんな中
｢おい、その手離せ｣
低い声がその場を制した。そちらに視線を向けると
『れ、お…………』
いつものような明るい笑顔はなく、鋭いレオの視線が男の人達を貫いていた。
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作者名：ぽぽ | 作成日時：2021年1月30日 12時
