【あんスタ】人魚姫【月永レオ】 (ページ6)

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5滴ページ6

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｢A｣

『セナさん！』

今日はレオよりも早くにセナさんが来た。今は授業のはずじゃないのだろうか？そう思っていた私を見透かすように

｢今は休み時間｣

と教えてくれるようにそう言う。
その言葉に私は納得をして私はセナさんを見上げる。ブルートパーズのように綺麗な瞳と目が合い私は思わず

『セナさんは私が怖くないんですか？』

そんなことを口走っていた。
私は咄嗟に自分の口を覆うも、これはずっと思っていたことだったため彼の答えが聞きたいと思ったが何も言葉を発さない彼に

『やっぱりなんでもないです！今のは忘れてください！』

無理やり口角を上げてそう言う。
あぁ間違えちゃった。
私は自分の発言に後悔しながら水面を見つめていると

｢はぁ｣

セナさんが深く大きなため息をつく。
どうしたのだろうかと、首を傾げているとセナさんの視線が私に向けられる。

｢あのさぁ、気持ち悪かったら最初から一緒にいないんだけどぉ！｣

呆れたようにセナさんは私にそう言った。その言葉に私は目を見開いた。それと同時に

｢はぁ？！ちょっと？！｣

私の頬に暖かいなにかが伝う。それが涙ということを理解するまでに時間はそうかからなかった。そんな私を見てセナさんは慌てた様子を見せる。

『ご、めんなさい……つい、そんなことを言われるのが初めてで……』

私は頬に伝う涙を拭いながらセナさんにそう説明する。それでも涙は止まらない。それ程彼の言葉が私の心の何かを変えてくれたのだろう。

『ありがとうございます』

私は今度はちゃんと、心からの笑顔をセナさんに見せた。

｢別に？ホントのこと言っただけ｣

なんて冷たく返されるも私は彼が照れていることなど分かっていて小さく笑を零した。あぁ、こんなにも暖かい人がいるのだと分かった。