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『う〜ん』
一日中悩んでいた私は今家に帰っている途中だ、夕焼けのオレンジがやけに眩しくて目を細める。悩みに悩んでも結局、答えは出てこなかった。今日一日を使ってもダメだったらしい。
今から家に帰るのに嫌悪感を抱いてしまう。私は、少しくらい寄り道してもいいよね。なんて思いながら近くの公園にあるブランコに座った。
昔からの馴染みのある公園は私の心を落ち着かせるのには十分だった。ブランコを揺らしてみるとキィーと音が鳴った。その音さえも懐かしく思い頬を緩めた。
すると
「A?」
聞き覚えのある声が耳に届いた。そちらに視線を向けると
『レオくん……』
「なんだ?寄り道か?」
『うん』
頷くとレオくんは私の隣にあったもう一つのブランコに乗り漕ぎ始める。左右に揺れるブランコを見つめ私はどうしようかと考える。
「悩み事でもあるのか?」
『へ?』
「だって眉間にシワ、寄ってるぞ!」
そう言ってブランコから降りて私の眉間をツンと人差し指で突っつく。あぁ、こんなファンサ聞いてないよ。
パンクしそうな頭をなんとか止めてレオくんを見上げる。夕焼けの光がレオくんの髪に反射して綺麗だ。
「大丈夫か?」
『……うん、大丈夫』
私の顔を覗き込むレオくんに私は笑顔を作って貼り付ける。うん、レオくんには黙っていよう。言ってしまったらダメな気がする。
確かな理由も根拠も何も無いけれど私はそう思いレオくんに私がファンであることを秘密にしようと決めた。
それがいくら自分の首を締めていると分かっていても。
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りむ。 - こちらこそ、すてきなさくひんありがとうございました!! (2021年3月25日 8時) (レス) id: 76d2fea91c (このIDを非表示/違反報告)
碧生 - ぽぽ様の作品をいつも拝見させて頂いてます。ここがぽぽ様の憩いの場、ストレス発散出来る場所となるように願ってます。あと、いつも楽しく作品を見させてもらってます。これからも執筆活動頑張ってください!私はぽぽ様の味方です! (2021年2月23日 11時) (レス) id: 7ffc4172b1 (このIDを非表示/違反報告)
詩帆(プロフ) - ぽぽさんは、強いと思います。きちんと向き合えるから。だから負けないでください。! (2021年2月21日 18時) (レス) id: 46695abdda (このIDを非表示/違反報告)
詩帆(プロフ) - 離婚してからも、母は私達子供とは何度か会いましたが2年前から全く会っていません。愛想を尽かしたのでしょうか… (2021年2月21日 18時) (レス) id: 46695abdda (このIDを非表示/違反報告)
詩帆(プロフ) - けど、お父さんは私達子供が好きだったみたいで… 挙句の果てには、母は浮気しました。 (2021年2月21日 18時) (レス) id: 46695abdda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぽ | 作成日時:2021年1月26日 0時