サクラ咲く12 ページ14
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裏庭で向き合う一期と昴。
人のいない裏庭でお互いがお互いを睨んでいた。
「…赤月殿、先日から異常な視線を感じていたのですが…私に何か言いたい事でも？」
「…それは俺の台詞だ。こっちの様子を見ながらやけにAを気にかけるじゃねぇか。」
「仕える主を気にかけるのは当然のことかと。」
「それにしては随分と見せ付けてくれるな。」
この2人の初めての会話とは思えない内容。とても穏やかなものではない。
勇猛果敢な性格の昴。
冷静沈着な性格の一期。
正反対なのだ。炎と氷のように対極する二人の間を、風がすり抜けて行く。
「A殿は貴方の心無い一言でひどく傷つかれた。」
「ｯ…。」
昴の顔が歪む。一期は鋭い目つきで彼を睨んだ。
「執事(ﾊﾞﾄﾗｰ)とは主人の手足となり、主人の補佐をする存在。
例え主人が変わったとしても、一度仕えた主人には敬意と感謝を忘れてはならない。
───…A殿に残酷な言葉を吐いた時点で、あなたは執事失格です。」
「…ｯ！……俺だってAを傷つけたくなかった！けど、アイツに脅されて…仕方なく…ｯ！」
悔しそうに拳を握る昴を一期は先程と違って無表情で見ていた。
「脅されて？仕方なく？随分と弱気になったものですね。
主人の悪い行いを正し、お守りするのが我々執事の影の仕事。貴方が”執事”である限り、その務めを果たす義務は必ず存在します。」
「…何が言いたい。」
「義務を怠った赤月殿にはブターナ殿がお似合いですよ。Aお嬢様の事は私におまかs…」
ガッ！という音とともに制服の胸元を掴み上げられる一期。激情家の昴は目をギラつかせて、未だ涼しい顔の一期を睨みつける。
「巫山戯んなｯ！
Aが学院のマドンナだって事すら気付かなかったお前が、Aを守れるわけねぇｯ！！」
「…愚問ですな。」
＿＿＿＿私が水晶ランク保持者だとお忘れのようだ。
金に輝く瞳で昴を睨みつける一期。昴の手を退けて来た道を引き返していく。
「証明してみせます。私がA殿に相応しい執事ということを。
貴方が守れなかったお嬢様を、必ずお守りすることで。」
昴も顔を歪めて吐き捨てる。
「お前なんかにAを渡してたまるかよ！」
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革ベルト
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イクト(プロフ) - 長い間お待たせしました。実は妹から「一期にこの台詞(題名)言わせて！」と頼まれ、悩みに悩んだ末の最後のシーン(考えること約１ヶ月半)。正直やりきった感でいっぱいです。(泣) (2017年11月22日 23時) (
レス) id: a5c85148ff (このIDを非表示/違反報告)
ちゃあちやん - ヤバイ。一期〜！！！カッコいい///このかっこよさに溺れる...。 こんな神作品に出会えて幸せすぎる 少しづつ更新頑張って下さい！続き楽しみに待ってます！ (2017年9月3日 0時) (レス) id: 0568748180 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - こんにちは。９話の何ヶ所か赤月が暁になってますよ。
ここお嬢様学校なのに挨拶が「ごきげんよう」でもエレガントな敬語で会話でもないのですね(笑)。
執事も敬語とかじゃない人もいるみたいですし。
設定とか『メイちゃんの執事』を思い出して懐かしくなりました。 (2017年8月29日 12時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
カグサ(プロフ) - 更新待ってました！！いち兄めっさイケメンですな！？！？お覚悟と言われた瞬間意識が飛びかけました←更新頑張ってください！応援してます！ (2017年8月24日 12時) (レス) id: 215900ac93 (このIDを非表示/違反報告)
悠紀(プロフ) - え...やば...いち兄イケメンすぎ...更新頑張ってください！続きが気になります！！ (2017年4月4日 16時) (レス) id: add63ccc21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イクト
| 作成日時：2016年8月3日 1時
