【狛枝凪斗】不幸中の幸い【男主】 (ページ14)

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十一本ページ14

威榧side

廊下で会った九頭龍君、辺古山さんと別れ
凪斗と家への帰路を歩いている

狛「Aがクラスの子と仲良くなってくれて、僕はとても嬉しいよ」

『…本当に？』

狛「え？」

普通に考えれば…人見知りの俺が誰かと仲良くしてて
幼なじみの凪斗が喜ぶのはおかしくないけど…
昔からの凪斗の性格を考えれば…

『凪斗は昔から…』

『俺が誰かと仲良くするの嫌がってたじゃん…』

狛「…」

優しそうな大人も元気そうな子供達も
凪斗は何かしら理由を付けて俺に近付けさせなかった

『だから…本当はどうなのかなって…...っ！？』

ﾄﾞﾝｯ

狛「A…君は本当に凄いよ」

狛「やっぱりボクを一番分かってるのはAだけだ…」

話を聞いていた凪斗に腕を掴まれたと思ったら
人気のない裏路地へ引っ張りこまれて
そのまま押し倒された
俺を見る凪斗の目は...澄んでいるような
濁っているような...そんな目を向けて微笑んでいた

狛「皆はボクを誤解してるんだよ...」

狛「ボクは優しくなんてないし人並みの感情もあるんだよ」

『な…凪斗…』

凪斗の目はだんだんと闇に渦巻き濁っていった
そして俺の腕を掴んでた凪斗の手は俺の首にかかった
首にかかる手には力がこもって…呼吸がしずらい

狛「Aのいない学校でずっと考えてた…」

狛「やっぱり…ボクにはAがいなきゃダメなんだよ…」

昔から笑顔で大丈夫って言う凪斗を信じて
ずっと凪斗を追い詰めてたのか

凪斗はずっと俺を助けてくれてたのに
俺は何も…ずっと…頼ってばっかで…ダメだな…