最低さん。【花宮真】 (ページ3)

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期待ページ3

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「彼氏とやっと別れたAを祝して、乾杯！」

『全っ然祝されてないけど！』

そんなこんなで始まった花宮の家での飲み会(参加人数は2人)。

花宮には2人で出かけていた時に散々元彼氏のことを話していた。紳士的すぎて物足りないと感じていたことも、嫉妬もしてくれないことも、別れるかどうかも。
だから私と元彼氏のことを誰よりも知っていたし、別れたことをいち早く報告した。

彼氏と別れて別の男と飲んで…、って今日の一日濃っ。

『一人暮らしっていいよねぇ』

「なんで？」

『お酒飲んでもバレないじゃん』

「まぁその為に一人暮らししたからな」

『そうなの！？』

「嘘」

なんだこいつ。

私は今年の10月に20歳になったからお酒を飲んでも法的に問題はないが、花宮の誕生日は1月。今は12月、まだギリギリ19歳である。
まぁ高校生の頃から飲んでるであろう彼だから何も言わないし、私だって人のことを言えない。
(※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。)

「お前今日何日か知ってるか？」

『え、23日』

「明日は？」

『…あぁ……クリスマスイブ』

「ふはっ、そんな日に振るなんざお前も性格悪ぃな」

そう言ってこちらの気持ちなんて知らずに爆笑する花宮。
しかしそうなのである。元彼氏を好きじゃなくなり他に好きな人ができてしまった今のこの気持ちのまま、彼とクリスマスを過ごすなんてできないと思ってしまった。

きっと彼のことだからクリスマスのプレゼントを用意していたのだろうが、それは本当にごめん。

「そんなわけでお前クリスマス暇だろ」

『クリぼっちで悪かったね』

「俺が相手してやるよ」

25空けとけよ、と隣で酒を飲みながらテレビを見る花宮の表情は、相変わらず何を考えているか分からない。

彼がクリスマスに私を誘ったということは、脈アリだと思って良いのだろうか。

期待、しても良いのだろうか。