大好きなんスもん【黄瀬涼太】

after:合コン ページ33

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『ねぇ合コン行っていい？』

「俺という彼氏様がいるのに！！？！」




放課後、Aっちと一緒に体育館へ向かっている途中で彼女の口から出た言葉に、俺は驚きを隠せなかった。

どうして、と聞くと人数合わせで誘われたらしい。




『だってタダ飯食えるって』

「釣られたんスね」




他の男に彼女が取られるのではないか、とかそういう心配はないが、他の男が彼女と仲良く喋っているところを想像して嫉妬してしまうのは仕方ないことだと思う。

たとえ彼女が誰とも話さなくても、周りの男は彼女を放っておくわけがないだろう。


彼女は顔がいいことを自覚しているのか。




「知ってる？Aっちって顔がいいんスよ？」

『そんなん今更言われなくても』




そうだ、自覚済みだった。




「いつっスか？それ」

『今週の日曜。ついてくる？』

「いや、いいっス」




「誰とも喋らないから平気だよ」と、頭の後ろで腕を組みながら呑気に話すAっち。


そういう問題じゃないんスよぉぉぉ。




『食費浮くのは助かるし、まぁそういう訳だから』

「えぇぇ」




なんかうまく丸め込まれた気がする。


彼女に変な虫がつかないように、俺が彼氏だと周りに言いふらしているのにも関わらず、それでも男女ともにモテてしまうAっちは、もう俺にはどうすることもできない。




「ぶぅ」

『不貞腐れないで』

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