大好きなんスもん【黄瀬涼太】

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「それで、どうするんだ？こういう相手は放っておいたら悪化するぞ」

『まるで分かってるような言い方だね、さすが赤司』


「俺も何度かされたことがあるからな」

「経験者は語る」




赤司とストーカーあるあるを言い合えそうだ。


しかし彼がストーカーされるのは分かるよ。
だって顔よし性格よし、頭も良ければ運動も出来る、何をするにもパーフェクト。そんな人間、放っておくはずがないだろう。

比べて私、顔は良いと自覚しているが性格には難あり、頭も良くないし運動はそこそこ。世の男は私のどこを見てついてくるのか。やっぱり顔か、顔なのか。男は顔しか見てないのか。




「とりあえず、Aはできるだけ一人行動しないこと。黄瀬、よろしく頼むぞ」

「了解っス！！」


『私結構一人行動好きなんだけどな』

「にこにこ」

『はい、ごめんなさい』




言っていることと逆に、とても恐ろしい黒いオーラを放つ真顔の赤司に思わず謝ってしまう。
口で“にこにこ”って言われるの超怖い。


それから色々話してから皆と途中まで一緒に帰り、分かれ道で私も一人で歩いて帰ろうとしたところ「赤司っちに一人で行動するなって言われたばっかっスよ」と黄瀬に止められ、渋々一緒に帰ることになった。




「楽しかったっスね！！」

『そうだねー』

「Aっちのことも皆に発表できたし！」

『まじであれはふざけんな？？？』




こいつ、皆と会った瞬間「ついにAっちと付き合えたんス！皆今まで応援してくれてありがとうっスぅぅ！！」と、全力で自慢しやがった。

あの時の皆の顔見た？ちょっと引いてたからな？？？
恥ずかしいったらありゃしない。




「何かあったらすぐ俺に連絡するんスよ？」

『インセタのストーリーに上げとくから見てね』

「Aっちの通知オンにしとくっス！あ、もうしてたっス」

『そこはちょっと突っ込んで欲しかったな』




今物凄くボケたつもりだったんだけど。

何であんたが逆にボケてんの？こいつ冗談通じないタイプだっけ？あ、今そういうタイミングじゃなかった？ごめんね？？？




「とにかく少しでも異変があったら俺に連絡、分かった？」

『分かった、分かったから。それもう7回目』





とにかく送ってくれてありがとう、とお礼を言うと黄瀬は来た道を戻っていった。



その日、珍しくストーカーはされなかった。

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