大好きなんスもん【黄瀬涼太】

after:ストーカー撃退話 ページ20

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最近、私が部活の皆と話している時や登下校中、買い出しに行っている時などに感じるねっとりとした気持ちの悪い視線。

またか、と思いつつも私は猛ダッシュでこの視線から逃げる。
ということが1週間ほど前から起きているのだけれど…。




「「早く言え！！」」




赤司も昔に戻り黒子も優勝したということでキセキの世代と黒子とさつき、元帝光中のメンバーでマジバに集まって思い出話やお互いの近況報告をし合っている時だった。

ぱっと思いついた最近の出来事をなんとなく言うと、皆で私の方に身を乗り出して大声で叫んできた。
ちょっとここ店の中なんで静かにしてください。




「心当たりは？」

『それが全く。あ、今日手紙もらったよ』




赤司に聞かれて、正直に答える。

ポストに入っていた写真付きの手紙のことを伝えると、「今すぐ見せろ」と目の色を変えて食いついてきた。




『毎日届くんだよね、そのお熱い手紙』

「これって……」

「何で俺に言ってくれないんスか！！」


『いやぁ、いつか諦めてくれるかなって』




私も馬鹿ではないので、これがストーカーだとさすがに分かる。

これまで何回かストーカーをされることはあったが、毎回家に着くまでに撒き続けていたら、相手が諦めていつの間にか居なくなっているものだった。


しかし今回の相手は中々しぶとい。
何故か家も知られてしまったし、ここ1週間ほぼ毎日飽きずによくやるもんだ。




「その言い方、よくやられる感じがするのだよ」

『そりゃまあ……それなりに？』

「いつからだ？」

『んー、一番最初は小学生の頃だったかな』




小学校の帰り道、知らないお兄さんに「飴あげるから来て」って言われて断ったら、その次の日から毎日話しかけられては家まで送られる日々を送っていた。最終的には警察に連行されていたけれど。

そのことを話すと、皆呆れたような顔をしてため息をついた。




「慣れてるんだか能天気なんだか……」

「私に相談した後もあったの！？何で言ってくれないの！！」

『だってあんた動揺しまくって蹴ってくるじゃん』




中学の頃、一度さつきに相談をしたときに「どうしよう！私のAがぁ！！」と暴れ、何故か蹴られまくって止めるのが大変だったので、それ以来相談するのは辞めた。

さつきの蹴りはマジで痛い。

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