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家に入るまでを皆にしっかり見届けられ、今はソファでくつろいでいる。
ちなみに皆が去った後、ポストを見てみると写真付きの手紙が入ってきた。もちろん私の写真と愛がびっしり書かれた手紙。
“部活お疲れ様”
“マネージャーって大変なんだね”
“あの中に彼氏がいるの?”
“僕がいるのに”
『ほんっと、物好きだよなぁ……』
今まで私をストーキングする奴はどれも変人ばかりだった。まぁ、ストーカーする奴にろくな人はいないけど。と、呑気に考えながら制服のポケットに手を突っ込む。
あれ?
………………ない。
携帯が、ない。
他のポケットや鞄の中にも手を突っ込んでみたが、どこにもない。どこだどこだ、となんとか頭をひねってたどり着いた答えが、教室。
そうだ、机の中に入れっぱなしにしていた。
あぁもう!!何でこんなゴロゴロし放題の今日に限ってもう一回学校に行かなきゃいけないんだ!!!
しかも携帯がないので誰かに連絡することもできない。家の固定電話はあるが、生憎誰の番号も覚えていない。こういう時、自分の記憶力が無いことにイラッとする。
もういいや。外はまだ明るいし、ストーカーもいないだろう。ささっと行ってささっと帰ってこよう。
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『なんか無駄に怯えて損した気分』
びっくりするほど安心安全に、携帯を取りに行くことができた。
ストーキングされるのはいつも暗くなってからだったので、今日は部活が無いことを知らないストーカーは、きっと夜になっても学校の前で待ち続けるんだろうなぁ。
笑える。
……そこの角を曲がれば。
もう家だ、と安心しきっていたのも束の間。
角を曲がって見えたのは、黒い服を着た男が私の家のポストに何かを入れるところ。
『げっ』
一瞬固まっていると、その男がこちらを見てびっくりするも、にやりと笑ってこちらへ近づいてきた。
痩せ型で目つきが悪く、何故かハァハァ言って愛欲に塗れている男を見て、逃げ出さない人はいないだろう。私もその一人、男に背中を向けて無我夢中に駆け出した。
『(うっわ!追ってくる!!)』
後ろを振り返ると、必死になって追いかけてくる男が見えた。
こんな堂々と追ってくんな!ストーカーはストーカーらしく影でヒソヒソ追っとけよこの野郎!!!
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春(プロフ) - らてさん» とても素敵なコメントありがとうございます!他のメンバーのお話も考えております。ご期待に応えられるか分かりませんが頑張ります!ありがとうございます!! (2023年1月24日 7時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
らて(プロフ) - とっても面白いしドキドキしました。黄瀬くんも他の黒バスメンバーももっと大好きになりました。素敵な時間をありがとうございました!!!続編や他のメンバーのお話もぜひ見たいです、無理せず頑張ってください、応援してます! (2023年1月8日 0時) (レス) @page47 id: f9f6bd1b23 (このIDを非表示/違反報告)
春(プロフ) - みかんさん» そんなこと言ってもらえるなんて嬉しいです( ¨̮ )ありがとうございます!!! (2022年6月24日 8時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 涼太大好き!!!私元々黄瀬君のこそ好きでしたけどこの作品読んでもっと好きになりました!頑張ってください! (2022年6月23日 21時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
春(プロフ) - みかんさん» わー!ありがとうございます!!涼太ぁぁ! (2022年6月22日 23時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春 | 作成日時:2021年12月4日 22時