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『……ぐッ…』


「おい違ェだろ?」




胸ぐらを掴まれたまま一発思い切り頬を殴られた。
氷室くんや金髪美女、いつの間にかいた火神が叫んでいるが、殴られた衝撃で頭がガンガン揺れる。


早く鳴け、と言わんばかりの攻撃に今の灰崎くんとあの時の灰崎くんが重なる。




「また同じことしてやろうかァ?」




私の考えていたことがまるで分かっているかのように言う灰崎くんに顔が強張り、殴られた痛みで今更涙が浮かぶ。




『……や、だ…』


「そうそう、その顔。そそるねェ」




もう一発殴られる、
そう思いぎゅっと目を閉じるが、私をぶん投げる灰崎くんの行動と、バスケットボールを至近距離で受け止める音に目を見開いた。




「オイオイ、いきなり俺にボールを投げつけるなんていい度胸だな、涼太ァ」


「黄瀬!」

『黄、瀬……』


「大丈夫っスかAっち。あーあ、女の子こんなに傷つけちゃって……」




灰崎くんにぶん投げられた私は、そのまま地面に落ちて腰を強打する。

火神は黄瀬に、灰崎くんの説明を求めると不機嫌そうに、しかし冷静に話し始めた。




「俺とは入れ替わりで姿を消した…ハズなんすけど、どういう風の吹き回しっスか」

「別に理由なんてねェよ。復讐とかでもねェ。強いていえば………ただの暇つぶしだ」




バスケなんてどうでもいいけどキセキの世代の座は欲しい。キセキの世代とかやたら騒ぎやがって、涼太は俺に勝てたことがないから涼太から奪っちまおう。
ということらしい。


自慢するように声を上げて言う彼に虫唾が走り「ほんと最低」と呟くと、隣にいる火神に「余計なこと言うな」と小突かれた。

黄瀬は何かを決意したような顔をして「この場はここで収めて欲しい」「俺が責任持って倒すから」と意気込むと、ここにいる灰崎くん以外は一瞬吃驚するも頷いた。





「言ったろ涼太ァ。欲しくなったから寄越せっつってるだけだバァカ」





階段を下りていく灰崎くん。

けれど、途中で立ち止まって「あぁそうだ、言い忘れてたけど」と全員の注目を浴びながら言葉を続けた。





「涼太にAは無理だぜ」


「……は?」





灰崎くんの意味深な言葉に、私含めここにいる全員の頭に疑問が生まれる。





何を、言ってるの?




何を、言おうとしてるの……?
















「Aは俺に抱かれてるからな」

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設定タグ:黒子のバスケ , 黄瀬涼太 , 海常高校   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - 文スト黒バス東リベ推しさん» コメントありがとうございます!13の続きで帝光中学校時代の話なので、赤司ですね。 (2022年6月29日 8時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
文スト黒バス東リベ推し - 14の黄瀬が赤司っちに言っておくからみたいな台詞あるけど赤司じゃなくて笠松とかじゃないですか? (2022年6月27日 17時) (レス) @page16 id: 89b4ed43fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年6月18日 20時

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