貴方の傷に寄り添う

STORY52 ページ1

貴女「...閉じ込めるんなら兄さんと一緒がいいのに...」

あれから私はそのまま牢屋に戻され閉じ込められた。

ここに戻ってもあるのは殺風景な部屋だった。

なんとか隠し持ってたスマホで助けを呼ぼうとするが圏外でどうすることもできない。

ベッドに座りそのままコテンと横になる。


貴女「兄さん今どこにいるんだろ...兄さんッ...」

その時だった。


ふと気配がしたので鉄格子に目をやると先程のタタラという男の傍らにいたマスクの男がつったっていた。

何か用があるのかと身構えたが本人は一言も発さないので、どうすればいいか分からない。


貴女「あ、あの...何か用ですか？」

恐る恐る聞いてみた。


ふと彼の手に目をやるとビニール袋を持っていた。中にはなにかはいってるみたいだ

ゆっくり近づくとマスクの人は、
鉄格子の網目からそのビニール袋を手渡してきた。

どうやら私にくれるらしい

受け取って中をみると、おにぎりが3つとサンドウィッチとお茶のペットボトルが入っていた。


貴女「...食べていいんですか？」


「...ｺｸﾘ」


お腹が減っていたので、
おにぎりを無心に食べていた。



〜〜

貴女「...ご馳走様でした。」

お茶を飲んで取り敢えず空腹を満たす事はできた。

それにしても何故まだマスクの人は鉄格子の前に立ってるんだろう？

貴女「あの...まだ何か用が...」

「ノロさんこんな所にいたんだ。探したよ」

私の話を遮るように登場したのはさっきの部屋にいた包帯の小柄な人がでてきた


「あれ？さっきの子じゃん。Aちゃんだっけ？私エト、よろしくね」

この組織のイメージとは裏腹にその子はフレンドリーだった。

警戒はしてたものの、少し薄れた

貴女「は、はじめまして」

エト「怖い思いさせてごめんね、ノロさん貴女の事見張ってたみたい。」

ノロ「...」
貴女「...見張ってなくても、喰種相手に逃げ出せませんよ。」

エト「だよね〜、そんな事したらお兄さんが殺されるもんね。健気だね〜いい子いい子」

エトさんは馬鹿にしてるのか、分からないが鉄格子から手を伸ばし私の頭を撫でてきた。


エト「Aちゃん。私とタタラさんはもう行くけど、貴女の面倒はノロさんが観てくれるみたいだから、変な気起こさないようにね。じゃあね〜」

貴女「...行くってどこに？」

エト「ホントは教えちゃダメなんだけど〜特別に教えたげる！コクリアに行くの」

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