第五夜 ページ6
すり、すりと、鮮やかな着物を美しく引きずりながら、彼女は歩いていた。
時折、着物の端から白く美しい脚がほんの少し覗く。
貴「…つまらいどすなぁ…」
彼女しか分からない程の小さな声で、呟いた。
浪士組の芹沢が大阪から戻って来たらしい。
それを聞いて彼女はつまらないと呟いたのだ。
幼い頃見ていた彼等は、ここ等で止まる様なものじゃない。
少なくとも、彼女の目にはそう映っていた。
貴「芹沢はんの事、殺してでも進む様な男でござりんしょう。あんさん達は…」
彼等も生きる事に必死だった筈だ。
でも、いつの間にか志を持ち、前へ前へと進まんとする。
いつからこんなにも、壁が出来ていたのだろうか。
幼い頃、確かに隣にいたはずなのに。
貴「もし…もし、わっちを見つけたら…あんさん達は連れ出してくれんすか…？
叶うなら…もう一度、笑って会ってくんなし…」
言葉が溢れた。
今にも消え入りそうだったが、彼等がこの場所、
京にいる事が彼女の願いを零す理由になるのには、十分だった。
震える唇を歯を食いしばって堪え、
目を潤ます雫を風に散らして。
そして、彼女はまた夕霧として笑った。
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牡丹一華(プロフ) - ありがとうございます!中々進みませんが、頑張って作って行きたいと思っているので、よろしくお願いします! (2018年5月30日 19時) (
レス) id: 3334f9c658 (このIDを非表示/違反報告)
結葉 - すごい楽しいです！続き、頑張ってください！ (2018年5月19日 22時) (レス) id: e0601b0ff2 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹一華(プロフ) - コメントありがとうございます!出来るだけ早く、作りたいと思っているのでこれからもよろしくお願いします! (2018年5月7日 0時) (レス) id: 3334f9c658 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆 - わー―！！続きが気になります！応援してます。頑張ってください！ (2018年5月6日 23時) (レス) id: 8bff64fcc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：牡丹一華 | 作成日時：2018年4月30日 1時
