第四十二夜 ページ42
沖「でも、二条城にあいつがいるなんて…まぁ、僕は行ってもないけど。」
貴「”あいつ”…?」
悔しそうに、寂しそうにぼそりと言った彼の言葉を彼女が聞きのがすはずも無く。
沖「池田屋の時にもいたんだ。土方さんが言うには、千鶴ちゃんを狙ってるって言うし…」
嫌だねぇと言う割には、口元は弧を描いており僅かに目尻も下がっていた。
貴「苦労しておりますなぁ。気張りなんし。」
沖「まぁ千鶴ちゃんは落ち込んでたけどね。あ、もしかしたら、匿って貰わきゃいけなくなるかもって土方さんが。」
あくまで、土方がと言う風に、にこりとは程遠くにやりと笑う。
貴「ふふっ男が寄ってくる花街に隠す…どすか。上手いこといくどすか?」
沖「灯台下暗しって言うし、大丈夫じゃない?匿って貰うほど不味い状況にならない様にするのが一番だね。」
静かに酒を飲んでゆき、それに合わせてゆったりと彼女が注いでゆく。
紅い街の奥の蝋燭が灯された薄暗い部屋。
下品では無い、上品な豪勢さのある着物に身を包んだ美女。
天才剣士と言われる新選組の剣。
柔らかく、穏やかな夜が過ぎていった。
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牡丹一華(プロフ) - ありがとうございます!中々進みませんが、頑張って作って行きたいと思っているので、よろしくお願いします! (2018年5月30日 19時) (レス) id: 3334f9c658 (このIDを非表示/違反報告)
結葉 - すごい楽しいです!続き、頑張ってください! (2018年5月19日 22時) (レス) id: e0601b0ff2 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹一華(プロフ) - コメントありがとうございます!出来るだけ早く、作りたいと思っているのでこれからもよろしくお願いします! (2018年5月7日 0時) (レス) id: 3334f9c658 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆 - わー―!!続きが気になります!応援してます。頑張ってください! (2018年5月6日 23時) (レス) id: 8bff64fcc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:牡丹一華 | 作成日時:2018年4月30日 1時