第二十二夜 ページ23
ーねぇ、菖蒲ちゃん折角だからお酌してよ。ー
彼女は遊女だ、日ノ本一と謳われる女性だ。
そうは言っても、幼い頃確かに側にいて今でも、八郎さんと呼んでくれる彼女。
その頼みに応えるのは当たり前だけれど、心苦しい物がある。
ー綺麗だね。ー
ーお二人共、色男でござんすからー
彼女等にとっては、挨拶の様な物だと分かっているが、それでも心が揺れ動く。
土「…八郎。聞いてるか?」
伊「…えっ、あ、はい。」
しまった。
折角、話をしていたのに、上の空になっていた事に驚き、悔やむ。
土「ったく、お前も好きだな。あいつの事。」
伊「すみません…」
土「別に責めちゃいねぇさ。だが、総司もあいつの事好きだからな、昔から。それはお前もだろうが。」
伊「彼女と再会しなかったり、沖田さんを好きだと言っているなら諦めがつくんですが…」
彼女は彼女らしい美しい微笑みを向けている。
何も分からないのが、余計に諦められなかった。
土「俺は、菖蒲が良いならそれでいい。だから、お前等どっちかに肩入れはしねぇ。それでも、まだ分からねぇ状況で諦めんじゃねぇよ。」
伊「自分自身、彼女にのめり込んでいる事は分かってたんですが…ここまでとは。」
土「まだお前も若いんだ。当たって砕けろっつうやつだよ。」
土方の、どちらにも属さない物言いに何処か酷く心が落ち着いた。
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牡丹一華(プロフ) - ありがとうございます!中々進みませんが、頑張って作って行きたいと思っているので、よろしくお願いします! (2018年5月30日 19時) (レス) id: 3334f9c658 (このIDを非表示/違反報告)
結葉 - すごい楽しいです!続き、頑張ってください! (2018年5月19日 22時) (レス) id: e0601b0ff2 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹一華(プロフ) - コメントありがとうございます!出来るだけ早く、作りたいと思っているのでこれからもよろしくお願いします! (2018年5月7日 0時) (レス) id: 3334f9c658 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆 - わー―!!続きが気になります!応援してます。頑張ってください! (2018年5月6日 23時) (レス) id: 8bff64fcc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:牡丹一華 | 作成日時:2018年4月30日 1時