第十三夜 ページ14
伊庭八郎と再会してから、彼は定期的に彼女に会いに、花街を訪れていた。
伊「相変わらず、凄い人気ですね、菖蒲は。」
貴「ふふふっここでは、夕霧でありんす。」
今まで夕霧として、淡々と仕事をこなしていた。
だが、彼がここに来る様になってから、彼女の表情は穏やかなものになっていた。
貴「幼い頃から助けて貰ってばかりどすなぁ。申し訳無いどす。」
伊「僕が勝手にやっている事ですから。気にしないで下さい。」
幼い頃からずっと、手に触れれば繋いでくれた。声を上げれば、助けてくれた。
そして今も、笑顔にしてくれる。
感謝しか無い。
感情を押し殺していた。けれど、それは苦しくて仕方がなかった。
彼等が近くにいるという事、それすら苦しかった。
伊「そういえば、この間歳さん達に会ったんです。」
とても元気そうでしたよ。と嬉しそうに言葉を続ける彼を見ると、救われた気分になる。
思わず、言葉を発していた。
貴「八郎さん、ありがとう。」
突然の言葉に驚きながらも、嬉しそうに彼らしい上品に笑った。
伊「いえ、こちらこそありがとうございます。」
心底嬉しそうに笑う彼は本当に優しい人だ。
ただの一人の女の為に涙するのだから。
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牡丹一華(プロフ) - ありがとうございます!中々進みませんが、頑張って作って行きたいと思っているので、よろしくお願いします! (2018年5月30日 19時) (レス) id: 3334f9c658 (このIDを非表示/違反報告)
結葉 - すごい楽しいです!続き、頑張ってください! (2018年5月19日 22時) (レス) id: e0601b0ff2 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹一華(プロフ) - コメントありがとうございます!出来るだけ早く、作りたいと思っているのでこれからもよろしくお願いします! (2018年5月7日 0時) (レス) id: 3334f9c658 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆 - わー―!!続きが気になります!応援してます。頑張ってください! (2018年5月6日 23時) (レス) id: 8bff64fcc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:牡丹一華 | 作成日時:2018年4月30日 1時