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第十一夜 ページ12

行方不明になった彼女はというと、必死に逃げ延び京ヘ行き着いたのだ。

幼い頃から、叩き込まれた事が功を奏し花街で生きてこれたのだ。

今では、日ノ本一の女だが。

伊「…」

何も声が出なかった。
彼女が生きていると信じ、探し続けた日々。
その間、彼女は必死に生きていたのだ、花街で上り詰め、日ノ本一の女として。

貴「驚きんした?」

伊「はい。生きて今、こうして会え、話せることが嬉しいです。」

彼の声は少し震えていた。
俯きながら、片手で目元を覆いながら言葉を紡いでいた。

貴「大袈裟どすなぁ」

久々に、心から笑っていた。
嬉しかった。
彼がずっと探してくれていた事。
声が震えるほどに、思ってくれていた事。
何度も自ら、命を消そうとしていた事が馬鹿らしく思える程には。

貴「八郎さん。」

伊「はい。なんですか?」

すっと、彼の手を取り優しく握る。
彼は美しい目を大きく見開いて、瞳を揺らしていた。

貴「ありがとう。忘れないでいてくれて、見つけてくれて。」

伊「…はい…はいっ」



帰り際、ぐでぐでに酔った本山に肩を貸しながら、座敷を出ようとした彼に小さく呟いた。

貴「もし、わっちが連れ出してと言ったら手を引いてくれんすか…?」

返信は帰ってこなかった。

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設定タグ:薄桜鬼 , 沖田 , 伊庭   
作品ジャンル:恋愛
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牡丹一華(プロフ) - ありがとうございます!中々進みませんが、頑張って作って行きたいと思っているので、よろしくお願いします! (2018年5月30日 19時) (レス) id: 3334f9c658 (このIDを非表示/違反報告)
結葉 - すごい楽しいです!続き、頑張ってください! (2018年5月19日 22時) (レス) id: e0601b0ff2 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹一華(プロフ) - コメントありがとうございます!出来るだけ早く、作りたいと思っているのでこれからもよろしくお願いします! (2018年5月7日 0時) (レス) id: 3334f9c658 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆 - わー―!!続きが気になります!応援してます。頑張ってください! (2018年5月6日 23時) (レス) id: 8bff64fcc3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:牡丹一華 | 作成日時:2018年4月30日 1時

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