気だるい ページ22
***朝
今日は珍しく一人でに寝過ごした。目覚まし時計の付け忘れが原因だけど。
杏さんが部屋まで来てくれたものの、気だるく起き上がることができない。
そして、杏さんが俺の顔を見て
「わ、大丈夫？なんか死んじゃったみたいな顔してる」
と、心配そうに言ってきた。
頭は脳味噌と重りがすり替えられたかのように重く、重心が常に傾いていた。
手足はいつも以上に軟弱で、重い体を起こすのにはとても力が足りない。
熱を計ると、37.8度。
咳も関節痛もないが、顔色と頭痛のこともあって学校を休むことになった。
「少ししたらお粥持ってきてあげるねー」
俺にありったけの氷が入ってゴツゴツとした氷枕(寝にくい)を頭にしくとそう笑った。
ありがとうございます、と横になったまま頭を微かに下げる。
それをしっかり確認し、杏さんは部屋から去った。同時に静寂が訪れた
少しだけ、寂しい。
「...」
寝返りを打つ。ゴロゴロと耳元で氷の転がる音がして心地いい。
しかし体が酷くだるい。まるで体全体に均一な圧力がかけられているかのようで。
浪費できるような体力もないため、ゆっくりと瞼を閉じて時間が過ぎるのを待った。
.
.
.
「...マサキ君、熱出したの？」
「うん、なんか顔色すごく悪くて、まるで死んでるみたいなの」
「い、生きてるよね？」
「喋ってたから生きてるよ」
杏の不可解な表現に、私は頭を悩ませていた。
それと同時に、離れた部屋でマサキ君が苦しんでいると思うとちょっと寂しい。
話すことも顔を見ることもままならないから。
「マサキの顔見たい？」
唐突な杏の一言に、心臓が驚いて跳ね上がる。ドキドキと心拍が少し早くなった。
急すぎてうっすら手足に冷や汗が滲む。
「...見たいけど、今はいいよ。」
私の顔なんか見たら、彼は必死に体を起こして気を使うに決まってる。
そう思うと今彼に近づくのは、可哀想だ。
ゆっくりして気分が落ち着いて、彼から来るのを待てばいい。
そう自分に何度も何度も言い聞かせた。
「そっか...あ、マサキのお粥作ってきちゃうね」
「うん、ありがと」
「どういたしましてー」
にっこりと笑うと、短いオレンジの髪を揺らして部屋を出た。
どことなく活発な笑みは、ちょっと羨ましい。
私もあんな風に笑えたら、マサキ君に心配なんかさせないのになぁ、なんてね。
それが無理だから、こうなっちゃったのに。
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夜月桜 - な、泣ける。・゜・(ノД`)・゜・。 小説でこんなに感動したことないです(>_<) (2017年3月29日 20時) (
レス) id: 889de71093 (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - Mmさん» こちらこそよろしくお願いします！よろしかったら他作品もよろしくお願い致します。 (2015年1月3日 20時) (レス) id: 2725121de3 (このIDを非表示/違反報告)
Mm - よろしくお願いします! 更新頑張ってください!! (2015年1月3日 16時) (レス) id: 5a5650f5d4 (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - Mmさん» コメントありがとうございます！もうすぐラストなので、この雰囲気を保ちつつ納得がいくエンドをかけるよう頑張りたいです。更新も張り切りますので今後もよろしくお願い致します。 (2015年1月2日 15時) (レス) id: 2725121de3 (このIDを非表示/違反報告)
Mm - すごく良かったです!読んでるとき涙がでてきてもう大変でした笑 更新待ってます＾＾ (2015年1月2日 15時) (レス) id: 5a5650f5d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e2e95d529a1/
作成日時：2014年9月20日 20時
