親友の秘密を知ってしまった。

３３.電話の相手 ページ35

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緊張も解けて、部屋で寛いでいる時の事。






＿＿ﾌﾞｰｯ、ﾌﾞｰｯ！




『！びっくりした、』





突然鳴りだした彼のスマホ。


対する彼は冷たい視線をそれに向けている。





さっきまで笑ってたのに

一体、急にどうしたんだろう





『私、出てくね』





中々電話に出ようとしない彼に気を遣って
部屋を出ていこうとしたのに






『っわ…』




ガシッと手を掴まれてしまった。






なんだこれ…

二度あることは三度あるってやつかな。







「いい」



『…？』





…そこに居ろってこと？




なんか深刻な顔してるし、ここは大人しくしておこう。






彼は私がベッドの端に座るのを確認すると
鳴り続けるスマホの画面を操作した。



するとスマホのバイブ音は止み…





「何か用か
ベルモット」



彼はスマホを耳に当てた。




『…！』





出るんかい。



というか
その名はさっき盗み見た名前だ…。



驚く私の顔を見た彼は
呆れたような表情を浮かべる。



…今ので盗み見てたことがバレた…？まさかね…






「で？用件は」



静かな部屋に静かな彼の声。





何となくシリアスな空気を感じ取った私はやっぱり、こっそりと部屋を出ようとベッドから這い出でようとした。




……が。





[ﾄﾞﾝｯ！]





『ッ！？』






電話を耳に当てた彼が器用にも
私を片手で壁に押さえつける。






《ピンガ。今のは何の音？》




『…！』






距離が近くなったおかげで電話口から聞こえてきた声は
やっぱり女性のものだった。



やっぱベルモットって人、女じゃん。


へぇー…電話もする仲なんだな…






彼は私から離れようともしないで電話を続ける。






「あの男はどうなった？」



《あぁ……言われた通り
ちゃんと始末したわよ》






あの男？始末…？




その言葉に肩を強ばらせて見上げると

彼と目が合った。






《調べたけど
ろくな奴じゃ無かったみたいねぇ
“山田”ってのも偽名だったわ》




『…！』





や、やまだ。


山田くんのことを言ってる？もしかして






「始末したんならいい
切るぞ」




《あぁ待って。暇つぶしに今そっちの防犯カメラを盗み見てるんだけど

中々いい施設ね？
“廊下までしか見れないけど”》






廊下って…
さっき私が部屋を出てたら…
ゾッとした。



これ、私が聞いちゃいけないやつだ。






だからと言って肩押し付けられてるし

何も出来ない。






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