親友の秘密を知ってしまった。

１２.関節キス ページ14

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「A起きて
私はそろそろ準備するわよ」




『んー…』





モゾッと寝返りを打って目を開けると、ベッドの脇でグレースが私の顔を覗き込むように立っていた。




『なんでぐれーすが…』




「何寝ぼけてるの
早くしないと仕事に遅れるわよ」





お母さんみたい…

そっか、私昨日グレースの部屋に泊まって…





「ねぇ、机の上に置いてたウイスキーなんだけど」



『……あ』





そうだ、思い出した


深夜、寝ぼけてた私はトイレに起きた時に
自分の部屋にいると勘違いして

机の上にあった飲み物を……





「少し残しておいたはずなんだけど
中身がなくなってたのよね…」



ジッ、と見つめられてしまって、
思わず布団を頭まで被った。





「飲んだ？」



『飲んじゃった』





あれを何口か飲んだあと、
喉が焼けるように熱くなって


トイレには無事に行けたのは覚えてるけど
あとの記憶はない。





「ま、いいけど
大丈夫だった？お酒弱いわよね」




『いや、それが…記憶がなくて。』




「記憶がない？
……そう」






布団から顔を出すと、
静かに笑うグレースと目が合った。



グレースってたまに冷たく笑う時があって…

まさに今がそう。




笑ってるんだけど、何か探るような…そんな視線。






「ほら起きて起きて
今日は山田に会うんでしょ」



『！そうだった！！』






“山田”と聞いて飛び起きた。



というかグレース…

いつから山田くんのこと呼び捨てにして呼んでたっけ。




もしかして、実は仲が良かったり…
なんてことあるわけないか。




鏡に向き直っているグレースをしばらく見つめて、
控えめに尋ねてみた。





『ねぇグレース…今日もお泊まりしていい？』



「…ｸﾞﾌｯ」




なんか変な音が聞こえたけど気のせいかな





「…!?」



『グレースと一緒にいると本当に楽しいんだ』



「…し…

仕方ない、わね」




『！』





まさかのお許しを頂けるなんて。

…そうと決まれば、
今日は何もかも頑張れそうな予感がする。









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「後で飲もうと思ってた酒全部飲みやがって」







“グレース、だいすき…”




しかも挙句の果てには酔っ払って
寝たフリを決め込む俺の体に絡みついてくるときた



…わざとかと疑っちまうほどだ





つかあんな1口2口で酔うとかありえねぇ…










「……我慢できたのはグレースだからだよ」






お前は知らねーだろうけど。







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