▼sweet.025 ページ26
▼Your side
名前を呼ばれたかと思うと、服の襟を掴まれて勢いよく後ろに引っ張られる。首元にある服が後ろに引っ張られることによって圧迫され、地面に倒れ込むと同時に咳き込んでしまう。
「馬鹿野郎っ!!!」
『...?』
「樫野、君女の子に対してなんてことしてるんだ」
大声で私の名前を読んだのと、襟を掴んで引っ張ったのは樫野だった様だ。
でも、何故か花房が樫野に対して怒りの感情を表に出している。思いっきり顔に出ているわけではないのだが、顔をしかめて声がいつもより低いことから、花房が怒っていることが分かる。
いちごちゃんは今すぐにも泣いてしまいそうなほど目に涙が溜まっていた。
そして、心配して私の近くまで来てくれて「どこも怪我してない?」と聞いてくれる安藤。4人の様子を見て、私はあんな無謀なことをして、困らせて...私がした事は今こんなにも皆を悲しませてる。その時やっと、私は事の重大さに気付いた。
『...は、花房、私は大丈夫だから。樫野は私を助けるために引っ張っただけ。私が悪いの、私が。安藤も私はどこも怪我してないから』
「お前、何考えてんだよ...」
『樫野...ごめん。わ、私皆が作ったシューを守りたくって』
「お前が怪我しちまったら元も子もねえだろうが!!!」
『!...本当にごめん』
「俺がどんだけ心配したとおも「樫野、やめなよ」
手を額に当てて、溜め息をつく樫野。
「天野もアホかお前、シューが焼き上がりきるまでオーブンをあけないって基本だろ!」
「あーらら、王子と高嶺の花達のシューまで台無しだわ」
「そんな言い方せんでもええやろ!」
クラス中の視線が私達Aグループに集まる。
「ごめんなさい!折角のシューが。Aちゃんも火傷負わせるようなことしちゃって本当にごめんなさい!!」
『いちごちゃん、私は大丈夫。樫野のおかげでこれっぽっちも火傷なんてしてないから。それに、シューならまだ作り直せる』
私の言葉を先頭に安藤と花房がもう一度作り直そうとフォローを入れてくれる。そして、「そら、やるぞ」と樫野の言葉で、私達はシュークリーム作りを再開したのだった。
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†NANA†(プロフ) - ページ43・44で、「チョコトルテ」が「チョコタルテ」になっています (2022年5月2日 10時) (レス) @page44 id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
心芦心芦(プロフ) - ようやく50話達成するまで至りました😭コメントしてくださった皆様本当にありがとうございます!続編でもよければ何でもいいのでお言葉頂けると嬉しいですし、励みにもなります☺️では、続編にてまたお会いしましょう👋 (2022年1月5日 22時) (レス) @page50 id: 0695e2aa22 (このIDを非表示/違反報告)
心芦心芦(プロフ) - わらびもち( ˙?˙ )さん» ありがとうございます!! (2022年1月5日 9時) (レス) id: 0695e2aa22 (このIDを非表示/違反報告)
心芦心芦(プロフ) - れさん» ありがとうございます!更新頑張ります☺️ (2022年1月5日 9時) (レス) id: 0695e2aa22 (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち( ˙?˙ )(プロフ) - お疲れ様でした!そして、更新楽しみにしてます!ありがとうございます! (2021年12月12日 21時) (レス) @page45 id: 36bb079102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:心芦心芦 | 作成日時:2019年10月15日 20時